統合化における相対的利益と目に見えないコスト

Submitted by Shin Kai on

 

統合化(integration)は事業の変化に対応する柔軟性の妨げになるだろうか。

長年にわたり、技術サプライヤたちはIT ソリューションの計画から実行までの統合型アプローチの利点を説き続けてきた。説得に用いられる利点には、無駄を省ける、運用コストを低減できる、意思決定を向上できる、といったことが含まれる。このことはエンタープライズシステムで最も行き渡っているが、これと類似の傾向は産業用オートメーションシステムに関しても促進されてきた。有力なサプライヤは全て、1つに共通化し統合化されたアーキテクチャに基づいた製品とソリューションの包括的なスイートを提供している。

そのような利点を定量化することは難しいとしても、表面的にはその根本的な前提には意味があるようにみえる。つまるところ、アプリケーションが共通のデータソースと通信プロトコルを使用していれば、アプリケーション全体にわたって情報を共有するのが簡単になるではないか。パッケージングの統合と実装、保全手順とプロセスの共通化は、ソリューション基盤の運用に係る日々の経費を削減するはずである。では、統合に何か弱点があるだろうか。結局のところ、何らかのトレードオフ無しに、利益が達成されることは稀である。