2022年 7月12日(火)- 14日(木) オンラインで開催 (東京)
新常態への移行が進むにつれ、産業の革新が加速しています。 持続可能性、循環経済、気候変動への新たな取組みが、技術革新を要請し、産業部門全体の変革と技術の変化を促しています。 回復力を備えることが、サプライチェーンや生産業務全体で優先されています。
現在、デジタルで先行するリーダー企業は世界各地で、パンデミックによってもたらされる現実的課題に対処する戦略を検証しつつ、技術革新とデジタル変革の活動を加速させています。その 多くは、想定以上に早く「つながる」リモートワーカーと現場のワーカーの連携をサポートするようになりました。時代は事業と競争戦略を変革し、回復力を向上させ、コストを削減し、脱炭素を促進し、サイバー脅威に対処し、さらに顧客により良い品質とサービスを提供する破壊的かつ創造的技術力を生み出しつつ、これら産業の変革を急速に促進しています。
人も事業も企業も変わりつつあります。貴社の新常態への変革は進んでいますか?
今年で2回目となる ARC アジアフォーラムは、製造、情報システム及びオートメーションに携わる方々にとってこれら最新の動向を知るには見逃せない機会です。日本とアジアにおける最新の変革の波を掴む好機です。昨年に続き、今年もコロナウイルス感染対策の一環として、オンライン形式で開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。
トピックス
- デジタル変革とサステナビリティ
- 次世代プラント制御と自律運用
- デジタルツインと予知保全・ロボティクス
- 産業制御システムサイバーセキュリティ
- 製造プロセスシミュレーション
- 再生エネルギとカーボンニュートラルへの取組み
- プラントデータ管理と AI/機械学習 活用
- IIoT エッジ・ツー・クラウドのデータ整合性と安全性
- パネル討論
プログラム
(講演 3日間とも10:00AM 開始)Track2 (日本語進行, 以下のプログラムは日本時間)
第1日(7月12日)
10:00 | 開幕 |
10:05 | Session 1: デジタル変革とサステナビリティ |
10:05 |
【基調講演】「住友化学のカーボンニュートラルへの取組み『責務と貢献』」 住友化学株式会社 執行役員、カーボンニュートラル戦略審議会事務局長、 |
10:25 |
「水素バリューチェーン実証プラントにおける技術選択」 エマソンオートメーションソリューションズ |
10:45 |
「三菱ケミカルのDX推進事例―デジタルプラント確立に向けた取組みと課題」 三菱ケミカル株式会社 技術統括本部 生産技術部 |
11:05 |
Q&A (30分間) |
休憩 | |
13:00 | Session 2: プラントデータ管理とAI/機械学習活用 |
13:00 |
「化学プラントにおける先端技術の導入と今後の課題」 三井化学株式会社 生産・技術本部 生産技術高度化推進室長 |
13:20 |
「ダイセル式生産革新がAIで進化 ~攻めの生産を実現する自律型生産システム~」 株式会社ダイセル 社長室長モノづくり革新センター長 |
13:40 |
「データ利活用によるプラント操業 DX」 千代田化工建設株式会社 フロンティアビジネス本部デジタル |
14:00 |
Q&A (30分間) |
休憩 | |
15:00 | Session 3: デジタルツインと予知保全&ロボット活用 |
15:00 |
「デジタルツイン環境下での次世代プラント運転・保全分野における 千代田化工建設株式会社 理事、フロンティアビジネス本部 |
15:20 |
「ドローンとロボットの活用によるオートメーションと設備検査の強化」 |
15:40 |
「Hexagon が提案する製造業向け Smart Digital Reality」 Hexagon 代表取締役社長、Asset Lifecycle Intelligence Div. |
16:00 |
Q&A (30分間) |
(プログラムは講演テーマ、時間枠構成に変更の可能性がありますのでご了承ください)
第2日(7月13日)
10:00 | Session 4: 次世代プラント制御と自律運転 |
10:00 |
【SICE協賛特別講演】「自動運転システムの進化におけるAIと高度制御への期待」 株式会社本田技術研究所 先進技術研究所知能化領域 |
10:20 |
「2030年連続生産システム実用化へのロードマップ・第3フェーズ」 株式会社高砂ケミカル 掛川工場技術開発部 iFactory準備室 専任課長 |
10:40 |
「インテル半導体工場のデータ活用の最新」 インテル株式会社 インダストリー事業本部ソリューション技術統括部 |
11:00 |
Q&A (30分間) |
休憩 | |
13:00 | Session 5: デジタルツインとスマートプラント運用 |
13:00 |
「AVEVAデジタルツインによる運転最適化の実践」 アヴィバ株式会社 Senior Business Value Consultant, APAC |
13:20 |
「持続可能でオープンな設備デジタルツインを巡る業界の新たな動き」 ARCアドバイザリグループ, アナリスト エクソンモービル(ExxonMobil) |
13:40 |
「高度分析ツール“SeeQ”で実現するWorkforce Transformation/労働力変革(WX)」 三井情報株式会社 DX 営業本部 産業ソリューション営業部 |
14:00 |
Q&A (30分間) |
(プログラムは講演テーマ、時間枠構成に変更の可能性がありますのでご了承ください)
第3日(7月14日)
10:00 | Session 6: OPA:次世代プラント制御システム開発―ユーザ企業の取組み |
10:00 |
「オープン・プロセス・オートメーション活用による価値の創出」 エクソンモービル(ExxonMobil R&E) 「シェルにおけるオープン・プロセス・オートメーションの取組み」 シェルグローバルソリューションズ(Shell Global Solutions) 「ペトロナスの訓練プラントとの接続によるテストベッドの最新情報」 ペトロナス(Petronas) 「RIL のオープン・プロセス・オートメーションへの取組み」 リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries Limited) |
休憩 | |
13:00 | Session 7: 産業制御システムサイバーセキュリティ |
13:00 |
「"OT Zero Trust" によるサイバーディフェンスの最適化」 TXOne Networks Japan 合同会社 業務執行役員 |
13:20 |
「産業用制御システムの周囲を防御する」 エクソンモービル(ExxonMobil) |
13:40 |
Q&A (20分間) |
休憩 | |
15:00 | Session 8: SICE-ARC 共催パネル討論 |
15:00 |
「装置産業と自動車の運転支援・自動運転の現状と将来 ― AI および モデレータ: パネリスト: 株式会社本田技術研究所先進技術研究所 株式会社ENEOSマテリアル生産技術本部 本部長 横河デジタル株式会社代表取締役社長 千代田化工建設株式会社フロンティアビジネス本部 |
16:30 |
閉会 |
講演者・講演要旨
ARC アジアフォーラム 2022 Track2 日本語進行
(敬称略、順不同)
辻 純平(Junpei Tsuji) 住友化学株式会社 執行役員, カーボンニュートラル戦略審議会事務局長, 技術・研究企画部長
【講演者紹介】 辻氏は北海道大学大学院地球環境科学研究科修士専攻。1994年4月住友化学工業株式会社 (現 住友化学株式会社)に入社。石油化学品研究所に所属し、石油化学業務室、ラービグ計画業務室を経て2010年石油化学品研究所有機合成G チームリーダー、2012年同企画管理G グループマネージャー。その後石油化学業務室部長、エネルギー・機能材料業務室部長、技術・研究企画部部長、理事 兼 技術・研究企画部部長を歴任。さらに 2021年からはカーボンニュートラル戦略審議会事務局長を兼務、2022年に執行役員兼カーボンニュートラル戦略審議会事務局長兼技術・研究企画部部長となり現在に至る。
【講演要旨】現在、カーボンニュートラル(CN)の達成に向けて世界中で様々な取り組みが加速している。化学産業では多くの 温室効果ガス(GHG) が排出されており、自らが排出する GHG をゼロに近づけるという責務を果たさねばならない。一方、CN の実現には化学の力は必須であり、化学企業は製品や技術を通して社会の GHG 削減に貢献することができると考えている。本講演では、住友化学の事例を中心に、CN 達成に向けた取組みについてご紹介する。
安井 裕司 博士(工学)(Yuji Yasui, Ph.D) 株式会社本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域エグゼクティブチーフエンジニア
【講演者紹介】安井氏は、1992年と1994年に東京理科大学にて機械工学の学士と修士を取得、2012年に上智大学にて博士を取得。1994年に株式会社本田技術研究所へ入社し、適応制御、モデル予測制御、ニューラルネットワークを用いた低公害車や HEV のためのパワートレイン制御、F-1用トラクションコントロール、トランスミッション制御やデバイス制御の研究に従事。1997年、1999年にそれぞれ、世界初となるULEV(Ultra Low Emission Vehicle)及び SULEV (Super Ultra Low Emission Vehicle)を実現。現在、AI や先進制御技術を用いた自動運転/運転支援システムの研究領域におけるエグゼクティブチーフエンジニア。
【講演要旨】 自動運転システムは、事故を低減し、未来の人びとの自由な移動を支える。Honda は2021年に世界初の高速道 Level3 自動運転を実現した。Level3 の実現に安全検証は重要な課題であったため、Honda は実車を使った実証実験だけでなく、さまざまな運転シーンを網羅する仮想シミュレータやデータマネジメントシステムを効果的に活用した。自動運転のエリアや条件が拡大した際、市街地での安全運転や混雑した交通シーンにおける協調行動のような多くの追加課題が存在する。したがって、AI(人工知能)と先進技術が研究され、次世代の自動運転車に適用される見通しである。この講演では自動運転システムのための先進技術と開発環境についてご紹介する。
奥津 肇(Hajime Okutsu) 三菱ケミカル株式会社 技術統括本部 生産技術部
【講演者紹介】奥津氏は、1997年三菱レイヨン株式会社(現 三菱ケミカル株式会社)入社。以後、中央技術研究所エンジニアリング開発センター、2012年豊橋(現愛知)事業所生産技術研究所豊橋技術開発G、2016年大竹(現広島)事業所アクリル繊維製造部生産技術課に配属され、2021年から本社技術統括本部生産技術部DX推進セクション、現在に至る。
【講演要旨】三菱ケミカルでは、製造現場のオペレーターが必要とする種々のプラント情報の相互連携によるオペレーションの高度化、「つながる工場」の実現に向けた取り組みを行っている。これら設備情報、プロセス情報、運転情報をシームレスに連携させる技術検討や、その応用例としての遠隔場所から製造ラインを監視、指示するリモート運転の取り組みに関する内容をご紹介する。
マイケル・ホータリング(Michael Hotaling)エクソンモービル(ExxonMobil) オペレーションズ・エクセレンス・デジタル・マネジャー
【講演者紹介】マイケル・ホータリング氏の活動範囲には、精製、化学、およびプロセス中流工程の運用のためのグローバルなデジタル・フットプリント管理が含まれる。組織的には、運用技術/プロセス制御戦略、デジタルソリューション、ICS サイバーセキュリティの各領域と連携している。近年、エクソンモービルの規模と統合を活用展開するための企業ビジネス変革活動の主要メンバーとなっている。彼は2017年からデジタルおよびプラントコンピューティングの分野に携わっている。
【講演要旨】ARC は、今年6月に、米国フロリダ州オーランドでグローバルフォーラムを開催した。今回のフォーラムで、特筆される話題の一つとして、プラント設備のデジタルツインを巡る新たな業界活動の立ち上げが報告された。今年1月にエクソンモービル(ExxonMobil)、シェブロン(Chevron)、ダウ(Dow)、シェル(Shell) などが集い、持続可能な設備デジタル・ツイン・ワーキング・グループ(Sustainable Asset Digital Twins WG)を設立。この設備オーナ企業の専門家だけが参加したWG は、ビジョンを立上げ、共通のニーズについて話し合い、デジタルツインのスケーラブルな実装のために必要なステップについて合意することを目指しており、今後の活動の展開が注目される。グローバルARCフォーラムでは、この活動を巡り、10件に及ぶ講演とパネル討論が実施されたが、この中から、エクソンモービルのマイケル・ホータリング氏による、設備デジタルツインを巡る問題点のご発表を収録しご紹介する。
八坂 直登(Naoto Yasaka) 三井化学株式会社 生産・技術本部 生産技術高度化推進室長
【講演者紹介】八坂氏は、1991年3月 千葉大学工学部工業化学科卒業。同年4月三井石油化学工業株式会社(現 三井化学株式会社)に入社し、プロセス系技術スタッフ、製造課長、工場企画グループリーダーを経験。2019年4月から生産・技術企画部プロセスシステム技術グループリーダーとしてプロセスシミュレーションやビッグデータ解析に携わる。2022年4月より現職。
【講演要旨】三井化学では「人とAI が協調する高効率で安全・安定な次世代工場の構築」を目指し、先進技術の開発を進めている。本講演では、AI とオンラインシミュレーターによる運転支援システムや、言語系AI を用いた労働災害危険源抽出システムなどの開発事例を紹介し、展開促進に向けた課題をご説明する。
ピーター・レイノルズ(Peter Reynolds) ARCアドバイザリグループ アナリスト
【講演者紹介】ピーターは、エネルギと化学部門のアナリスト、コンサルタントである。 製造オートメーション、最適化、技術戦略において30年近くの専門的な経験を持っている。産業用ソフトウエアをカバーする市場調査と論文が多く、石油・ガスおよび化学会社と連携して、持続可能性、プロセス最適化、設備パフォーマンス管理などのさまざまなトピックに関するデジタル化活動を推進している。北米、ヨーロッパ、アジアおよび中東での会議やイベントで頻繁に講演を行っている。
【講演要旨】 ARC は、今年6月に、米国フロリダ州オーランドでグローバルフォーラムを開催した。今回のフォーラムで、特筆される話題の一つとして、プラント設備のデジタルツインを巡る新たな業界活動の立ち上げが報告された。今年1月にエクソンモービル(ExxonMobil)、シェブロン(Chevron)、ダウ(Dow)、シェル(Shell) などが集い、持続可能な設備デジタル・ツイン・ワーキング・グループ(Sustainable Asset Digital Twins WG)を設立。この設備オーナ企業の専門家だけが参加したWG は、ビジョンを立上げ、共通のニーズについて話し合い、デジタルツインのスケーラブルな実装のために必要なステップについて合意することを目指しており、今後の活動の展開が注目される。WG の設立前からこの活動に携わってきた ARC アナリストのピーター・レイノルズが WG の設立背景を解説したグローバルフォーラムでの発表を収録し、ご紹介する。
幸村 裕子(Yuko Kohmura) インテル株式会社 インダストリー事業本部 ソリューション技術統括部 統括部長
【講演者紹介】幸村氏は、インテル株式会社入社後、技術マーケティングや FAE として携帯機器、無線、ストレージ、グラフィックス技術等を担当。現在は市場でのデジタル活用を促進するソリューション技術統括部に所属し、製造業を含む各市場での AI や IoT 技術、及びその他 ICT 技術活用の促進に努めている。
【講演要旨】インテルの半導体製造工場での工場の自動化をさらに進化させるべく、自律化し効率を高めるために行っている AI やシミュレーションなどのデータ活用について、実際の課題とそのソリューションをご紹介する。
リッキー・エッカート(Ricky Eckhart) エクソンモービル(ExxonMobil)産業用 IT部門サイバーセキュリティ・マネジャー
【講演者紹介】リッキー・エッカート氏は、プロセス上流工程、下流工程、中流工程、エンジニアリング、および企業の事業業務機能と提携して、産業用サイバーセキュリティの戦略、同ソリューション、同プロセスを定義し実装する役割を担っている。同氏の主な関心は、これらのソリューションがリスクに適合し、費用対効果が高く、持続可能な機能を提供することを保証することにある。これ以前には、産業用制御システムへの技術統合に焦点を当てた次世代アーキテクチャ戦略の開発を担当するエンタープライズIT/OT アーキテクトの職務を経験。さらに、新技術(産業用無線、IIoT、産業用モバイル機器)を世界各地の製油所や化学プラントに展開し、上流工程では高性能コンピューティング機能を開発し、炭化水素測定と産業用制御に焦点を当てた社内および合弁事業の監査を主導した経験を持つ。
【講演要旨】ARC は、今年6月に、米国フロリダ州オーランドでグローバルフォーラムを開催した。同 ARC フォーラムでは、世界的な COVID パンデミック環境下でのプラント操業、ロシアによるウクライナ侵攻などを背景に、例年以上に産業サイバーセキュリティの話題が多かった。とりわけ、パンデミック環境下で加速した設備やプロセスの遠隔監視や遠隔制御に関連して増加したリモートワーカの支援と、そのリモート操業環境を防護するためのサイバーセキュリティ対策を巡るセッションの話題が注目された。その議論の中から、今回、エクソンモービル社のご講演を収録し、ご紹介する。
マシアス・グロンシュテット(Matthias Gronstedt) ハーラ・スカイ(HHLA Sky GmbH)マネージング・ダイレクタ
【講演者紹介】マシアス・グロンシュテット氏は、2018年に Hamburg Hafenlogistics AG(HHLA)の子会社である HHLA Sky に入社した。彼の使命は、無人航空システム(UAS)のスケーラビリティと効率を確保し、3D 技術を既存の設計プロセスに安全かつ確実に統合して革新的なアプリケーションを追加することだった。同氏は、繊細な運用上の注意を必要とする領域での使用を目的としたシステム全体の開発を支援するために、小チームを編成し、そこで産業用ネットワークとオートメーションに関する数十年の専門知識を活用した。その成果物としての HHLA Sky のプラットフォームは、さまざまなサイトで100以上の UAS を同時にアクティブかつインテリジェントに制御し監視するのに役立っている。同氏は HHLA Sky に加わる以前は、ハンブルク港湾コンサルティング(Hamburg Port Consulting)のデジタル戦略コンサルタントを務めていた。またそれ以前は、認定グローバル・エマージング・リーダーとして、シーメンス(Siemens)でのさまざまな国際管理の役割を果たし、シーメンスインダストリーソフトウェア設立に関わった経歴を持つ。
【講演要旨】 北ドイツのハンブルグ港において、親会社 HHLA が運用する港湾荷役大型クレーン設備の保全点検作業にドローンの導入活用を検討するにあたり、効率的なドローン運用を可能にするプラットフォームを開発した。本講演では、そのプラットフォームを用いて可能になったドローン運用の効率性と運用性を中心に紹介する。
三好 史浩(Fumihiro Miyoshi) 株式会社ダイセル 社長室長 モノづくり革新センター長
【講演者紹介】三好氏は、2007年に同社に入社後、10年間工場スタッフとして生産革新の取り組みを推進。2017年から次世代型生産システム構築プロジェクトリーダーとなり東京大学との共同研究を開始。3年間でコンセプトから、設計、開発、オフライン検証をおこない、2020年に同社網干工場でオンライン実証テストを実施。2021年にモノづくり革新センターを設立し、現在、各工場への実装を進めている。
【講演要旨】 2000年に同社網干工場から始め、他社にも展開しているダイセル式生産革新の取り組みをご紹介する。世代のバトンをつなぎ、2020年にはAI を活用した”自律型生産システム”として進化させた。その進化の背景とシステムの概要についてご説明したい。
モハン・カリヤナラーマン(Mohan Kalyanaraman) エクソンモービル(ExxonMobil R&E)戦略立案グループ技術取得アドバイザ
【講演者紹介】モハン・カリヤナラーマン氏は、材料科学の博士号と MBA を取得しており、触媒作用、商業化、事業開発で24年の業界経験がある。 彼は現在、ExxonMobil Research&Engineering の技術取得アドバイザであり、OPAF のマーケティングおよびアウトリーチ共同議長を務めている。
【講演要旨】 TBA
井川 玄(Shizuka Ikawa) 千代田化工建設株式会社 理事, フロンティアビジネス本部本部長補佐(デジタル担当)
【講演者紹介】井川氏は、1985年千代田化工建設に入社し、制御システムエンジニアとして、国内プラントの設計および工事を担当後、アジアや中東でのプラント建設プロジェクトに従事。カタール国の世界最大級のLNG プラント建設においては、コミッショニングマネージャをも歴任。2012年カタール国でのグループ会社CEO に就任。2016年に帰国し、AI&デジタル技術の専門部設立から、DX ビジネス開拓に携わり、現在に至る。
【講演要旨】将来、プラント操業における省人化・無人化を実現するには、ロボティクス技術活用によるプラントでの自律巡回監視が必須である。しかしそこに到る迄には様々な技術課題の解決と連携が必要であり、逆に新たなサービスが生まれる土壌でもある。特にロボットをリモートで自在に操作し、かつ膨大なセンシングデータの蓄積とAI 解析/判断を行う為に必須なデジタルツイン環境についてご説明する。
ヤコ・オップミーヤ(Jacco Opmeer) シェルグローバルソリューションズ(Shell Global Solutions)オートメーション主席エンジニア
【講演者紹介】ヤコ・オップミーヤ氏は、Shell Global Solutions B.V. のプリンシパル・オートメーション・エンジニアであり、シェルのオートメーション戦略に取り組んでいるグローバルなプロセス・オートメーション・システム分野専門家である。同氏は、シェルでのオープン・プロセス・オートメーション(OPA)活動を主導しており、現在、Open Process Automation Forum(OPAF)の共同議長を務めている。OPAF における同氏の活動の重点は、O-PAS 標準の採用を通じて健全なビジネス環境を構築することにある。同氏はまた、International Process Automation Users' Association WIB の理事も務めている。
【講演要旨】TBA
鶴本 穣治(Joji Tsurumoto) 株式会社高砂ケミカル 掛川工場技術開発部 専任課長
【講演者紹介】鶴本氏は2004年長崎大学薬学部卒業、薬剤師免許取得。2006年3月同大学院医歯薬学研究科修士課程修了、同年4月田辺製薬株式会社(現:田辺三菱製薬株式会社)に入社。プロセス研究部門にて低分子原薬製造プロセス開発、治験原薬製造、薬事申請業務を13年間経験。2019年8月株式会社高砂ケミカルに入社。NEDO 戦略的省エネルギー技術革新プログラム「iFactory」における開発責任者の一人として、連続製造プロセスの開発や、ユーザー視点に立った設備要求仕様の策定を担当。第4回日本オープンイノベーション大賞経済産業大臣賞を受賞。
【講演要旨】未来に向けて医薬原体を含む機能性化学品の生産を持続するには、電力・廃棄物の削減、自然災害下における安定生産、自動運転と省人化等が可能な「新たな生産システム」の社会実装が必要である。これに対応すべく、異業種8社1機関が連携し、NEDO 助成事業として「連続生産、運搬・再構成、自動運転が可能な製造設備:iFactory」の開発に取り組んでいる。本講演では、試作機の製作状況や iFactory のスケールダウンモデルである iFactory Trigger についてご紹介する。
大坂 宏(Hiroshi Osaka) Hexagon 代表取締役社長, Asset Lifecycle Intelligence Div.
【講演者紹介】大坂氏は、1979年に工学部化学工学科を卒業後、これまで5社の職歴がある。石油精製エンジニアとして6年間、産業用リアルタイムシステムのシステムエンジニアとして7年間勤務した後、1992年に国内・海外のプロセス産業向けにエンジニアリング・サービスを提供する大坂システム計画を設立する。2010年頃からは、プロセス産業のお客様の生産現場に入り、操業上の問題点を整理し、ユーザに適したITソリューションを提供するビジネスを展開する。並行して、海外の優れたソフトウェアを国内に紹介しており、特に、運転管理、プロセス安全管理の領域では多くの導入実績を持つ。2014年には j5 International 社製の運転管理システム「j5」を国内に展開するj5Japanを設立し、代表取締役を務める。2019年にはセンサー、ソフトウェア、自律化ソリューションのグローバルリーダーであるHexagon の PPM 部門による j5Japan の M&A に伴い、Hexagon PPM の日本法人である日本インターグラフの一員となり、現在、代表取締役兼製造業担当プレジデントを務める。
【講演要旨】Hexagon が提案するSmart Digital Reality は Hexagon のコア技術を使って、現実の世界とデジタルの世界との間にフィードバックループを形成することで、現実の世界から発生するデータを最大限に活用し、自律的な意思決定とアクションを可能にする。それは究極のデータ活用の形である。講演では製造業におけるHexagon の Smart Digital Reality についてご紹介する。
佐々木 美春(Miharu Sasaki) 千代田化工建設株式会社 フロンティアビジネス本部デジタルプロダクト部 データサイエンスディレクター
【講演者紹介】佐々木氏は、千代田化工建設株式会社入社後、三次元流動解析(Computational Fluid Dynamics)等の解析技術を用い、石油・化学プラント、新エネルギーに関わる安全性評価(可燃性流体の拡散、燃焼解析など)や新規プロセス開発などに従事。2019年よりデータサイエンティストとして製油所向けデジタルプロダクト開発や産業設備・プラント向けデジタルプラットフォーム事業に参画。
【講演要旨】製造現場でのデジタル変革(DX)が進められている中、千代田化工建設ではこれまで培ってきたエンジニアリングの知見をベースに、プラントの DX 支援を行っている。本講演では、弊社が進めるデータ統合基盤構築支援サービスを中心に、その基盤上で利用できるアプリケーションおよび弊社の提供する生産性・信頼性改善ソリューションをご紹介する。
シャルール・A・ラシード(Sharul A Rashid)ペトロナス(Petronas) 計装制御部グループ・テクニカル・オーソリティ
【講演者紹介】シャルール・ラシード氏は、ペトロナス・グループ(Petronas Group)の計装および制御部門の技術オーソリティ及びカストディアンエンジニアである。石油・ガス、ガス液化、パイプライン輸送ネットワークを含む石油化学プラントでの計装・制御の問題の処理領域で30年以上の経験をもつ。彼は、技術ソリューショングループ内だけでなく、計装と制御の問題についてペトロナス全体のプラントに関してアドバイスしている。 Kertih コンプレッサーステーション、ペニンシュラ・ガス利用計量ステーション、MLNG Satu Rejuvenation および MLNG Dua Debottlenecking など、多くの主要なペトロナスプロジェクトで計装の専門家として関わっている。また彼は、JIP33(IOGP)運営委員会(SC)のメンバーであり、機器自動化標準小委員会(IOGP)副議長、ISAGCA(ISA グローバルサイバーセキュリティアライアンス)副議長をつとめ、サイバーセキュリティのISA IEC62443 エキスパート認定取得者でもある。
【講演要旨】TBA
今野 尊之(Takayuki Imano) TXOne Networks Japan 合同会社 業務執行役員 ビジネス戦略担当 兼 マーケティング本部長
【講演者紹介】今野氏は、2001年トレンドマイクロ株式会社入社。通信事業との協業によるセキュリティサービス開発、IoT セキュリティビジネス開発、IoT/OT セキュリティマーケティング等、主にビジネス開発およびマーケティング業務に従事。2022年6月より、TXOne Networks Japan 合同会社へ転籍し、ビジネス戦略およびマーケティングを担当。
【講演要旨】工場や産業制御システムのスマート化に伴い、IT 技術を活用した高度な自動化による生産性・保守性の向上が実現される一方で、工場等のネットワークをインターネットに接続する必要性や機会が増加し、攻撃者の侵入経路となり得るリスク源も増加している。“Zero Trust” はあらゆる侵入経路、関係者を疑う、侵入を前提としたセキュリティ対策である。当社が提唱する “OT Zero Trust” は、機器稼働の維持、パッチ適用の制限、古い設備の運用等の産業制御システム特有の課題を踏まえた、セキュリティ対策コンセプトである。本セッションでは、“OT Zero Trust” の考え方およびその実践例をご紹介したい。
杉江 泰(Yasushi Sugie) アヴィバ株式会社 Senior Business Value Consultant, APAC
【講演者紹介】杉江氏は、日本においてソフトウエアベンダーのプリセールス責任者、営業責任者を経て、コンサルティングファームでのIT 構想策定・業務改革を担当。ビジネス開発担当としてPTC ジャパン株式会社に在籍。2021年よりAVEVA 株式会社に入社、現在はSenior Business Value consultant, APAC として顧客の構想策定支援等を担当。
【講演要旨】プラント運転の最適化や適切な生産・物流計画を立案し、脱炭素等の環境負荷低減と生産性向上の両立とその先の収益確保への貢献が求められている。このセッションでは運転最適化に貢献するデジタルツイン技術をご紹介し、併せて運転正常化を支えるエンジニアリング・保全業務等にも対象を拡張し、どのようにしてAVEVAソリューションが貢献させていただけるかご説明する。
石舘 豊(Yutaka Ishidate) 三井情報株式会社(MKI) DX営業本部 産業ソリューション営業部 セールス・マネージャー
【講演者紹介】石舘氏は、長らく通信設備、半導体や液晶装置等の輸出入プロジェクトに従事。近年は、これらの国内外顧客・ユーザー、ベンダーとの多種多様な取組み経験より ICT、工場 IoT 領域の取組に傾注。現在は製造業全般、特に化学品、製薬、エンタープライズ、ディスクリート向けのデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現すべく、OSIsoft(AVEVA)社の PI System を起点とした OT と IT の融合の重要性を説き、コロナ禍だからこそ DX の推進が必要であると提唱している。
【講演要旨】 “PI System” 及び “SeeQ”(SeeQ社の時系列データ高度分析ツール)の商材ミックスで実現するDX、WX(Workforce Transformation)について、事例を交えてご紹介する。
マーティン・コーロ-ス(Martin Kolos) エマソンオートメーションソリューションズ(Emerson Automation Solutions) エナジーソリューションズ産業スペシャリスト
【講演者紹介】マーティン・コーロース氏は、エネルギ分野の産業スペシャリストとして、さまざまなビジネスおよび運用上の課題に対するソリューションを開発する責任を負っている。同氏は、エマソンのクライアントの安全性、信頼性、収益性、持続可能性の向上を支援することに情熱を注いでおり、18年にわたる業界での経験を活用して顧客事業の課題解決に役立っている。
【講演要旨】 TBA
ディヴィヤン・シャー(Divyang Shah) リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries Limited) 計装部門センター・オブ・エクセレンス機器信頼性グループリード
【講演者紹介】ディヴィヤン・シャー氏 は、計装と制御領域で29年の経歴を積んでいる。1995年からリライアンス・インダストリーズ(RIL)に勤務。2014年にムンバイのセンター・オブ・エクセレンス(CoE)に移り、制御システム、回転制御、サイバーセキュリティ機能、オープンプロセスの自動化を担当。CoE は、計装設備のエンジニアリングと信頼性を監督する。同氏の活動範囲には、すべての RIL サイト(製油所、石油化学、ポリエステル)でのベスト・メンテナンス・プラクティスの公開、旧態化システムの対策、更新、および信頼性の問題対応が含まれる。
【講演要旨】TBA
【SICE-ARCパネル討論】(第3日 7月14日午後)
【テーマ】「装置産業と自動車の運転支援・自動運転の現状と将来(AIおよびシミュレーションの活用、人とシステムの関係など)」
【開催趣旨】様々な分野において運転の自動化や運転者支援の仕組みが検討されているが、AI(人工知能)を活用する方法もその一つであり検討や実装が始まっている。自動車分野では部分的に自動運転が車に実装され、その中で車と人間の関係や交通システムとの関係、法規制のあり方など広く議論がされている。装置産業でも、IoT などを活用して多くのデジタル化されたデータが得られるようになったことと相まって、いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)が進みつつあり、AI の適用も取り上げられている。AI については保全分野への活用が進展しているがそれに続いて運転分野での期待もあり、シミュレーションを活用したデータ作成と組み合わせるなどしながら実用化にむけた試験も進んでいる。今回のSICE インダストリー- ARC共催パネル討論では限られた時間内ではあるが、学識経験者やAI のユーザ、サプライヤなど様々な方々の視点から、この問題について考えてみる機会にしたい。
【モデレータ紹介】
鈴木 剛 博士(工学)(Go Suzuki, Ph.D)(公社) 計測自動制御学会(元)会誌編集委員長/産業応用部門長(前)東洋エンジニアリング株式会社
鈴木氏は1973年 東洋エンジニアリング入社。プロセス設計部門にてエチレンなどの石油化学プロセスを担当、その後、プロセス技術部門でプロセスシミュレータ、石油化学プラントの省エネルギー改造などを実施。1985年米カーネギーメロン大学研究員。1986年プロセス技術部門、情報システム部門などにおいてプロセスシミュレータ、トレーニングシミュレータ、APC、プラント改造などを担当。2003年計装設計部門にてプロセスプラントに付帯するシステム(トレーニングシミュレータ、APC 等)を取り扱う。2008年技術部長(プロセスプラント付帯システム担当)、化学工学プロセス設計の非常勤講師などを行う。2015年東洋エンジニアリング退職。SICE 会員、SICE 計測制御エンジニア。
【パネリスト紹介】
鷲尾 隆 博士(工学)(Takashi Washio, Ph.D)大阪大学 産業科学研究所 教授
鷲尾氏は1988年 3月東北大学大学院工学研究科原子核工学専攻博士課程後期終了。1988年-1990年マサチューセッツ工科大学原子炉研究所客員研究員。1990年-1996年三菱総合研究所を経て、1996年から大阪大学産業科学研究所助教授、2007年から現職。研究内容は、複雑な構造データや大量のデータに埋めこまれた規則性や概念・知識の発見や、機械学習・データマイニングの原理の探求から産業適用まで多岐にわたる。人工知能学会、計測自動制御学会、日本統計学会、IEEE Computer Society, American Association for Artificial Intelligence(AAAI)などに所属。
安井 裕司 博士(工学)(Yuji Yasui, Ph.D) 株式会社本田技術研究所 先進技術研究所 知能化領域エグゼクティブチーフエンジニア
安井氏は、1992年と1994年に東京理科大学にて機械工学の学士と修士を取得、2012年に上智大学にて博士を取得。1994年に株式会社本田技術研究所へ入社し、適応制御、モデル予測制御、ニューラルネットワークを用いた低公害車や HEV のためのパワートレイン制御、F-1用トラクションコントロール、トランスミッション制御やデバイス制御の研究に従事。1997年、1999年にそれぞれ、世界初となるULEV(Ultra Low Emission Vehicle)及び SULEV (Super Ultra Low Emission Vehicle)を実現。現在、AI や先進制御技術を用いた自動運転/運転支援システムの研究領域におけるエグゼクティブチーフエンジニア。
桝谷 昌隆(Masataka Masutani)株式会社ENEOSマテリアル 生産技術本部 本部長
桝谷氏は、1998年 JSR株式会社に入社後、プロセス開発、プラント設計、製造スタッフを経験。2011年から生産技術チームリーダー、その後、生産技術部長として工場運営を担当。2016年からはドローンや AI を化学プラントに取り入れる製造スマート化に携わる。2022年4月のJSR エラストマー事業を分割譲渡に伴い、株式会社ENEOSマテリアルに転籍、同社生産技術本部長を務める。
鹿子木 宏明 博士(理学)(Hiroaki Kanokogi, Ph.D )横河デジタル株式会社 代表取締役社長
鹿子木氏は東京大学大学院で博士(理学)を取得し、Microsoft(東京)R&D で機械学習アプリケーションを開発。その後、2007年から横河電機。プラントを含む実際の製造現場へのAI(機械学習および強化学習)の開発、適用、製品化を手掛ける。強化学習(アルゴリズム FKDPP)の開発者の一人。2022年7月に新設の横河デジタル代表取締役社長に就任。
安井 威公 (Takehito Yasui)千代田化工建設株式会社 フロンティアビジネス本部 デジタル企画マーケティング部 専門長(AI)
安井氏は1995年千代田化工建設株式会社入社。プロセスシステム設計部に配属、足掛け20年プロセスエンジニアとして、合成ガスプラント等の設計に従事し、中国、サウジアラビア、カタール国プラント建設現場に赴任。カタール国では世界最大級のガスプラントのコミッショニングマネージャーを経験。その後2015年に経営企画部、2016年イノベーション企画部を経て2017年AI ソリューション部発足に参画。2020年より現職。