2016年 7月12日(火)、KFC ホール(東京)
今日、企業においてインテリジェントなコネクテッドデバイスや分析ソフトウエアなどの採用が進んできており、スマート製品や新しいサービスやオペレーションモデル、新たな生産技術、設計&調達への新たなアプローチと更なる革新が期待されます。
IIoTやIndustry 4.0 の目指すスマートな生産モデルもコンセプトの段階からからいよいよ実際のソリューションを導入する時代へと進んできています。そこで、本年は「変革する産業: イノベーションの新時代を拓く」をテーマに、業界のキーマンに議論を展開してもらいます。
- IIoT/Industry 4.0 とコネクテッドデバイス、スマートセンシング戦略
- 制御システムセキュリティ、統合オートメーションシステム戦略
- 予知保全/分析技術/アセットパフォーマンス管理戦略
- 次世代生産システム、運転システムへの挑戦
計測自動制御学会(SICE)のご協力を得て開催しておりますパネル討論も、昨年から「次世代生産システムへの課題と挑戦」をテーマに新たな議論を展開しております。
製造、情報システム及びオートメーションに携わる幹部の方々には見逃せない機会です。 どうぞこれら議論にご参加、ご活用ください。
プログラム
Session 1: グローバル市場動向とビジョン |
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9:30 AM |
開会挨拶 安部 周二 副社長 & ARCジャパン所長 基調講演 「変革する産業: イノベーションの新時代を拓く」
クレイグ・レズニック(Craig Resnick)、ARC アドバイザリ・グループ副社長
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10:05 AM | コーヒーブレイク |
Session 2: 新技術戦略 |
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10:35 AM |
「スマートマニュファクチャリングIIoT-インダストリ4.0」 クリスティン・フランク(Christine Frank)氏、デル 「投資計画プロジェクト実行時の新しいアプローチ」 ミシェル・グナーバ(Michel Gnaba)氏、シェフラージャパン |
0:30 PM |
昼食 ランチタイム Session: 「インダストリアルIoT を、安全に」 イラン・キゼルシテン(Ilan Kieselstein)氏、ウォーターフォール・セキュリ |
Session 3: 情報主導型企業への挑戦 |
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1:30 PM |
菅野 重樹 氏、SICE副会長、早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 アンマリー・ウォルタース(Anne-Marie Walters)氏、ベントレー・システムズ 福沢 充孝 氏、 横河電機 |
3:15 PM |
コーヒーブレイク |
Session 4: パネル討論 「情報主導型生産システムへの課題と挑戦」 |
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3:45 PM |
パネリスト: 新井 信之 氏 日揮、エンジニアリング本部計装制御部 パネリスト: 井上 敬介 氏 東京ガス、エネルギー生産部 |
6:00 PM |
懇親会 (終了予定 7:30 PM) |
講師紹介
【Session 1】
クレイグ・レズニック(Craig Resnick) ARC アドバイザリ・グループ 副社長

【講演要旨】多くの新技術が熟しつつあり、産業分野のデジタル変革が勢いを増しつつある。クレイグが今回の発表で触れるいくつかの新興のデジタル変革コンセプトには、エクソンモービルのオープン・オートメーション実現に向けた追求、産業IoT/インダストリ4.0ソフトウエアのプラットフォーム、ITとOTの統合、スマートな自主学習のできる機械、将来のクラウドにつながるプラント、の話題が含まれる。
【Session 2】
クリスティン・フランク(Christine Frank) デル SMEグローバル-IoTソリューション、インダストリアル・ストラテジック・パートナーシップ、シニア・コンサルタント

【講演概要】 事業モデルを再定義し、今日の競合環境に晒されている企業向けに新たな事業機会を開示することによって、予知保全を通じてIT とOT 間のギャップを埋める。事業が顧客中心であるなら、我々の周りにありデータの分析も顧客中心に実行されるべきものであろう。
レアンドロ・エンリケ・モナコ(Leandro Henrique Monaco) ABB 800xA 電気制御システム・グローバル・プロダクト・マネージャ

【講演要旨】 投資計画プロジェクトの遅れやコストの超過により、業界では、毎年数十億ドルの損失が生じている。その結果、プロジェクトコストを削減するため、エンドユーザは、複雑さの排除や予測性の向上をベンダに求めている。このような問題に対し解決策は多数存在するが、最も効果的ないくつかの手段が、近年になって利用され始めた。このセッションでは、標準化やフィールドバスの技術によって、従来のタスク依存型ワークフローから、 スケジュールの短縮を実現し、更なる競争力をユーザにもたらす、適正化された効率的なパラレルワークフローへの転換支援が可能であることを説明する。
ミシェル・グナーバ(Michel Gnaba) シェフラージャパン 産業機械事業部アプリケーション・エキスパート・メカトロニクス

杉山 素 三菱電機 FAシステム事業本部e-F@ctory 戦略プロジェクトグループ グローバル・アライアンス・コーディネーター

【講演要旨】 状態監視システム(CMS)は新技術と新手法によって急速に進化している。CMS 技術は、ますます多様化して特定の業界や用途に限られなくなっており、限られた予算に応じて規模を拡大縮小しながら幅広い分野での展開が可能になっている。IIoT と協働型エンジニアリングが、そのような柔軟なシステムを可能にする主要な要因となってきているのは、運用データを収集し、エキスパート・システムを用いたデータの部分処理を実行し、その結果を場合によっては更なる分析のためにローカルの、あるいは遠隔のデータクラウドに転送するためであって、これはすでにインダストリ4.0 あるいはIIoT が稼働中の状態といえる。非常に現実的かつ実用的な意味でこのことを説明するために、水処理業界における実際の活用の具体例を紹介する。また併せてOEM 機械および組立て製造ラインの事例も紹介したい。
【ランチタイムSession】
イラン・キゼルシテン(Ilan Kieselstein) ウォーターフォール・セキュリティ・ソリューションズ APACセールス・ディレクター

【講演要旨】 本セッションでは、一方向通信がサイバーセキュリティ上の有益であることを説明する。テクノロジーの概要に加えて、どのように重要インフラや生産設備などの制御システムや制御機器のセキュリティを向上させられるかを紹介する。様々な産業分野でのユースケースを通じてテクノロジーの有効性を議論する。エンドユーザの声として、一方向通信のアプローチを取り入れた根拠や導入した結果への満足について紹介する。ITとOTの融合は、データ分析の活用により、生産性を大きく向上させるが、一方で、最高レベルのセキュリティ確保が顧客とベンダーのいずれにとっても本質的に重要である。具体的な事例により、ウォータフォールセキュリティ技術を使うことで、企業がデータ共有によるセキュリティへの影響から事業インフラのセキュリティを確保できるか議論する。ファイアウォールやVPNソリューションはソフトウエアであり、確実な防御を提供できない。ウォータフォールセキュリティの一方向通信技術は世界の様々な権威者から物理的なソリューションは物理的なソリューションとしてファイアウォールより強固であると認められている。
【Session 3】
菅野 重樹 SICE 副会長、 早稲田大学 創造理工学部 総合機械工学科 創造理工学部長・研究科長、総合機械工学科 教授

【講演要旨】 超スマート社会(Society 5.0)は、IoT、クラウド、人工知能などをキーワードとして掲げ、議論がますます活発になりつつある。技術の視点からの話題の多くは、ネットワークの構築、Deep learningによるビッグデータの処理、サイバーセキュリティの技術であるが、社会や人間と直接的に関係する「物」の視点での議論はこれからの課題となっている。本講演では、ロボットや自動車をはじめとする実世界・物理世界と人間との関わりを強く意識して、新しいシステムを構築する方法論について考えてみたい。
アンマリー・ウォルタース(Anne-Marie Walters) ベントレー・システムズ プロセス・資源分野担当インダストリ マーケティング ディレクタ

【講演概要】 IT (情報技術)、OT (運用技術)、ET (エンジニアリング技術)によりオーナーオペレータが、アセットパフォーマンスモニタリングからアセットパフォーマンスモデリングに移行し、どのように実証可能なアセットパフォーマンスの改善を達成するかを紹介する。さらに、デジタルエンジニアリングモデルがIoT (モノのインターネット)の利点を確認するためになぜ重要なのかを説明し、UAV やデジタル画像から作成するリアリティモデリングによる新たなブレークスルーと、あらゆるインフラ資産の運用中のデジタルエンジニアリングモデルを作成する革新的なソフトウェアについても紹介する。
福沢 充孝 横河電機 マーケティング本部イノベーションセンターインキュベーション部マネージャ-

【講演要旨】 IIoTによるビックデータを有効活用することで、生産現場の改善のみならず、事業プロセス全体の最適化につながることが期待されている。そこで我々は設備の運転データから,その特性を網羅的に抽出するモデル化技術を開発した。これを用いてエネルギーと品質の関係をモデル化し,さらに独自の最適化アルゴリズムによってプラントの最適運転を求め,操業改善を支援する。本会では、このモデル化技術とプラントデータを用いた診断事例を紹介する。
【Session 4】
[パネル討論司会] 鈴木 剛 SICE 産業応用部門副部門長、(前)東洋エンジニアリング (工学博士)

【討論要旨】 科学技術のキーワードの一つに超スマート社会が取り上げられている。サイバー空間とフィジカル空間の融合(CPS: Cyber Physical System)によるシステムの高度化がこれからの産業に有効なものとなることが期待されている。社会システムを革新する動向は装置産業にも影響をもたらす。本パネル討論ではCPSという観点から計測システムの開発・発展とIoTの活用による製造設備の将来像、方向性を考えてみる。将来のプラントを支える計測・制御・情報活用の方向性とアーキテクチャーについて取り上げ、今後のプラントのオペレーションも考えてみたいと思う。装置産業を主な対象としてパネル討論するが、他産業におけるIoTについての取り組み(方向性・技術)に参考になる点・共通な面などが多いと考え課題意識としては幅広く捉えたい。
[パネリスト] 野中 洋一 日立製作所 研究開発グループ 生産イノベーションセンタ 主管研究長 (工学博士)

【講演要旨】 Industrie4.0、 Industrial Internet Consortium など、Internet of Things (IoT)技術を応用し社会システムを革新する動きが全世界で起きている。先進国では超高齢化やインフラ老朽化、途上国では環境問題や技術継承問題など、課題は多岐に渡る。本パネル討論では、これら世界の課題を整理し、オートメーションシステムの今後の展開について議論する。
[パネリスト] 新井 信之 日揮 エンジニアリング本部計装制御部、プリンシパル・エンジニア

【講演要旨】 Oil & Gas プラントにおいてはスマートデバイスによって統合されたデジタル化の基盤が整い、IIoT の基礎が形成され、より外部とのオープンなネットワークの方向に発展しつつある。また、バーチャル化技術による情報の統合や新たなエンジニアリング手法、リモートの監視や診断、合わせてAI 技術の利用など現状のトレンドと将来の展望について議論する。
[パネリスト] 井上 敬介 東京ガス エネルギー生産本部生産技術推進グループ 担当課長
【講師紹介】 1990年 東京ガス生産技術部入社。以後2007年まで、都市ガス製造工場の建設・DCS リプレース、メンテナンス業務に従事。Portugal Sines LNG 基地建設のためTransgas へ派遣。2008~2011年に東京ガス業務管理に従事。2012~2015年、東京ガス日立LNG 基地建設業務に従事。2016年から、東京ガスエネルギー生産部にて社内外エンジニアリング業務に従事。
【講演要旨】 LNG 基地はワンスルーのシンプルなプロセスが特徴であり、高度に自動化された操業が実現されている。一方、基地の建設、スタートアップ、操業の各フェーズにおいて、従来のDCS 技術をベースに情報処理技術を取り込んだ様々なアプリケーションを適用した改善が進みつつある。その概要報告と今後の制御システムに対する期待を議論する