2015年 7月14日(火)、KFC ホール(東京)
ダイナミックに変遷する世界の経済、環境の中、日本の製造業が成長と持続可能な事業を追求して行くには、新技術やプロセスを積極的に取込み、製造及び企業活動を次世代型へと転換してゆく必要があります。 本年は「変革する産業:コネクテッド・ワールドに向けた情報主導型企業」をテーマに、業界のキーマンによる議論が展開されます。
- IIoT/Industry 4.0
- クラウド、ビッグデータ、分析技術
- 次世代生産システムとオペレーション
- 制御システムセキュリティ戦略
- 技術伝承、診断技術、予知保全
過去4回にわたり、計測自動制御学会(SICE)のご協賛を得て、「安全な製造オペレーション」をテーマにパネル討論を行ってまいりました。 本年からは、「次世代生産システムへの課題と挑戦」をテーマに新たな議論を展開してまいります。
製造、情報システム及びオートメーションに携わる幹部の方々には見逃せない機会です。 どうぞこれら議論にご参加、ご活用ください。
プログラム
Session 1: グローバル動向とビジョン |
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9:30 AM |
開会挨拶 安部 周二 副社長 & ARCジャパン所長 基調講演 「変革する産業: コネクテッド・ワールドに向けた情報主導型企業」
ウヴェ・グルンドマン(Uwe Grundmann)、 ARCアドバイザリ・グループ ヨーロッパオフィス所長
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10:00 AM |
コーヒーブレイク |
Session 2: 新技術による業務革新 |
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10:30 AM |
「デジタル・エンタープライズの実現に向けて ~短期間のプラント立上げとフレキシブルかつ高効率の稼働~」 ミヒャエル・トーマス(Michael Thomas)氏、シーメンス・ジャパン |
11:05 AM | 「製造業におけるIoT - オペレーショナルエクセレンス」
ムクンド・ムクンド(Mukund Mukund)氏、ロックウェル・オートメーション |
11:40 AM | 「IoT によって加速する製造業の変革」
安齋 尊顕 氏、インテル 「IoT を活用したものづくりの将来像~Intel 半導体工場でのコスト削減事例の紹介」 岡 誠一郎 氏、三菱電機名古屋製作所 |
12:25PM |
昼食 |
Session 3: 情報主導型製造企業への挑戦 |
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1:25 PM |
「ファイアウォールよりも強固-安全性と信頼性を保護」 |
1:50 PM | 招待講演 「製造技術系エンジニアの早期育成と技術力向上に向けた教育研修と今後の課題」
高橋 正幸 氏、出光興産 |
2:25 PM |
「アセットパフォーマンスモデリング: 地図および3D モデルを統合するダッシュボード」 アンマリー・ウォルタース(Anne-Marie Walters)氏、ベントレー・システムズ |
3:00 PM |
「IoT の進化がもたらす、工場、地域をつなぐエネルギー全体最適システムの役割」 寺田 昌弘 氏、横河ソリューションサービス |
3:35 PM |
コーヒーブレイク |
Session 4: SICE 協賛パネル討論 「情報主導型生産システム」 |
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4:05 PM |
「運転支援および訓練システムの課題と挑戦」 進行および全体統括:鈴木 剛 氏 工学博士 (前)東洋エンジニアリング |
6:00 PM |
懇親会 (終了予定 7:30 PM) |
講演者紹介 および 講演要旨
講師および講演の概要は以下の通りです。(敬称略)
【Session 1】
ウヴェ・グルンドマン(Uwe Grundmann) ARC ヨーロッパ所長/GM
【講師紹介】 ARC のドイツ及び欧州事業の統括責任者。20年以上にわたり製造業を経験し、オートメーションとエンタープライズ・アプリケーションの双方に精通する。ARC 欧州事業を立ち上げる以前は、独グルイテンのロックウェル・オートメーションでソフトウエア・マーケティング販売チームを率いた。現在OPC 欧州運営委員会のメンバーでもある。
【講演要旨】昨今の仕事や生活を取り巻く環境の急速な変化は、急速な技術革新によってもたらされています。欧州のインダストリ4.0、米国のモノのインターネット(IoT)、あるいはスマート製造、産業用インターネットといった用語の氾濫は、いずれもこの変化を包括的にビジョン化しようとする試みと言えるでしょう。この基調講演では、これからのプロセス産業にとってこれら技術革新がどのような意味を持つか、さらにARC の考えでは、将来の製造業がどのように変わっていくかの見通しを中心に語ります。
【Session 2】
ミヒャエル・トーマス(Michael Thomas) シーメンス・ジャパン 専務執行役員デジタルファクトリー/プロセス&ドライブ事業本部長
【講師紹介】 1994年にドイツ・シーメンス入社。オートメーションドライブの研究開発や販売促進を担当し数多くの実績をあげたのち、2005年より合弁会社安川シーメンス・オートメーション&ドライブにて執行役員として産業ソリューションに従事。2009年にドイツ・シーメンスのセールス・ビジネスディベロップメント製造機械営業本部長として活躍後、2011年に再来日し、シーメンス・ジャパンにおいて専務執行役員ならびにデジタルファクトリー/プロセス&ドライブ事業本部長として事業部を牽引。
【講演概要】 シーメンスが注力する「デジタル・エンタープライズ」では、プラント設計や制御システムの開発期間を短縮し、稼働後はフレキシブルかつ高効率の生産や、最適な予防保全を実現しました。それらを可能にした、製品と製造設備のデータモデルの共有や、プラットフォーム、開発システムを紹介いたします。
ムクンド・ムクンド(Mukund Mukund) ロックウェル・オートメーション アジア太平洋地域ビジネスセンター、ソフトウェアビジネス・マネージャ
【講師紹介】 シンガポールにあるロックウェル・オートメーションのアジア太平洋地域ビジネスセンターで、ソフトウェアビジネスの責任者を務める。1990年にロックウェル・オートメーションにエンジニアとして入社。ソリューション提供。、コンサルティングを含む様々な顧客対応業務を担当の後、マーケティング部門に異動。1997年にはインドのソフトウエアビジネス全般の責任者となり、以後約10年間、インド国内の製造業におけるコンサルティング業務を担った。2006年にアジア太平洋地域のMESコンサルティングチームを設立。2009年にソフトウェアの営業開発部門の責任者としてシンガポールに異動し、現在に至る。
【講演概要】 世界人口の中でも、中産階級の人口が毎年増えているため、水、インフラ整備のための原材料、自動車、エネルギーの需要が大幅に増加し、製造業は様々な体質改善を求められています。製造業の現状と各国の取り組み、今後IoT技術が果たす役割を、事例を交えながらご紹介いたします。
安齋 尊顕 インテル 事業開発部事 部長代理
【講師紹介】 ソニー、アップルジャパンなどを経てインテルでInternet of Things ソリューションの事業開発に従事。クラウドに繋がった組み込み機器が作り出すビッグデータによる新たなビジネスの開拓に取り組んでいる。
【講演概要】 IoTは現在進行形で各業界の変革を加速しており、その最も顕著な分野のひとつが製造業です。インテルでは、世界最先端といわれる自社の半導体工場において、ビッグデータを活用することで歩留まりを向上させ、コストを低減する試みを長年に渡って行ってきました。IoT 時代と称される昨今において、モノを接続し、データを収集・伝送し、解析・消費するために必要な機器の性能は飛躍的に高まり、一方でコストは劇的に安くなり、これまでは技術的に、あるいは費用対効果の面から実現不可能だった手法が現実化しています。本講演では、インテルの半導体工場におけるIoT 活用の実際から、今後IoTが製造業に与える影響を解説します。
岡 誠一郎 三菱電機 名古屋製作所 e-F@ctory推進プロジェクトグループ e-F@ctory推進グループ 専任
【講師紹介】 1996年~2008年システムエンジニアとして独立系SI企業に勤務後、2008年2月三菱電機名古屋製作所に入社。e-F@ctory 拡販活動に従事したのち、2009年~2014年北米開発センタ出向し、米国IT 企業パートナ連携、MES インタフェースIT 開発、エネルギ管理ソリューション構築等に従事。2014年4月に名古屋製作所に帰任後、次世代のe-F@ctory 構築に向けた新たなコンセプト作りやコア技術検討に取組んでいる。
【講演概要】 製造業では現在、世界レベルで企業間競争が激化しており、各企業は市場からの要求に迅速に対応でき、かつ生産性が高い生産現場を実現するために、現場の様々なデータに基づいた生産革新を日々実行していく必要性に迫られています。高度・複雑化する生産現場において生産革新を実現するためには、生産現場とサービス全体をつなぐICTの活用が不可欠あり、製造現場に配置されたセンサやコントローラから得られた各種データをICTシステムを使って解析し、現場改善につなげていく仕組みを構築することが、グローバル競争を勝ち抜くための更なる競争力となります。本講演では、三菱電機の考えるものづくりの将来像と、生産現場とICTの連携により生産革新を実現する三菱電機FA統合ソリューション「e-F@ctory」の基本コンセプトとアークテクチャ、またその応用例と今後について解説します。
【Session 3】
ダニー・バーコ(Danny Berko) ウォーターフォール・セキュリティ・ソリューションズ アジア太平洋地域セールス・ディレクタ
【講師紹介】 ダニー・バーコはウォ-ターフォール・セキュリティ・ソリューションのアジア及びオセアニアのセールス・マーケティング・ディレクタを務める。ウォ-ターフォールでは15年以上にわたりインバウンドおよびアウトバウンドのマーケティング、ビジネス、技術分野で実績がある。ウォ-ターフォールに参加する以前にも、他の技術系企業で様々なマーケティング事業の経験があり、製品マネージャ、ソリューション・アーキテクト、ソリューション・マーケティング及びチャンネル・マーケティングなどの職歴がある。その間に取扱った様々なインフラ技術には、LTE、xDSL/xPON、SDH/SONET、イーサネット・スイッチングとルーティング、およびMPLS が含まれる。
【講演概要】 今日の洗練度を増すマルウェアと、われわれの重要インフラが晒される脅威の増大を背景として、われわれの重要システムの安全と信頼性を防護するために必要なセキュリティ対策を実施することは、今日必須の要件となっています。このセッションで議論する主要な論点は、次のポイントです。●IT とOT 間のセキュリティの相違 ● なぜIT セキュリティのベストプラクティスがCNI(重要国家インフラ) 防護のために十分に強靭ではないのか ● いかにしてハードウエア・ベースのソリューションを通じてセキュリティを強化し、オンライン・ネットワークベースの攻撃からの強靭な防護を可能にするか ●事例紹介:日本のユーティリティ企業のウォーターフォール・ユニディレクショナル・セキュリティ・ゲートウェイの実装シナリオ。
高橋 正幸 出光興産 製造技術部技術研修センターシニア・インストラクター
【講師紹介】 1977年出光興産入社。徳山製油所(現、事業所)運転課配属。プラント運転、運転改善など運転担当業務を経て、全精製プラントの最適制御導入の検討・設計。1993年北海道製油所に異動し所内最適化制御企画推進コーディネータ。制御システムの設計・構築後、2000年国際石油交流センターに出向。2004年製造技術部技術研修センターに帰任後、化学工学会から上席化学工学技士の認定を受け、現在、講師として研修の企画、研修設備の改善・改造などに従事。
【講演概要】 出光興産では、成長段階に応じ役割別・年代別に育成のしくみが用意され、高い専門性と幅広い視野を有する社内技術者を育成するための各種教育研修が行われています。技術研修センターをはじめとする製造現場を含めた育成関係部署は、プラントの安全安定操業に実務能力の発揮が期待される運転技術者を中心としてOJTや教育研修を長年行っており、製造現場における環境やニーズの変化に応じて臨機応変に対応してきました。現在、多くのベテラン運転技術者が勇退を迎える中、若手社員の更なる早期育成、プラント運転における緊急時・非常時の指揮命令訓練の充実などが特に急がれています。本講演では、現在、実施している演習や訓練などの教育研修の概要、および、情報技術の活用を含め今後の課題について紹介します。
アンマリー・ウォルタース(Anne-Marie Walters) ベントレー・システムズ プロセス・資源分野担当インダストリ マーケティング ディレクタ
【講師紹介】 アンマリー・ウォルタースは、システムベンダー、システムインテグレータ、石油化学産業のオーナーオペレータにおけるマーケティングとエンジニアリングの経歴を持つ化学エンジニアです。特に、施設運用におけるエンジニアリング情報の価値の確立と、EPCやオーナーオペレータが直面する課題に関する情報技術について取り組んでいます。現在は、グローバル インダストリ プロセス、オフショア、天然資源分野を担当するベントレー・システムズのインダストリ マーケティング ディレクタです。
【講演概要】 4 年前ARCインターナショナルフォーラムで、ベントレー・システムズのCEO、グレッグ・ベントレーはAssetWise を発表しました。 AssetWise は、資産のパフォーマンスを向上させるために施設のオペレーターにより完全な情報を提供する戦略的なソリューションです。このプレゼンテーションでは、どのようなテクノロジーが、どの産業のオペレーターに、なぜ採用されているかご紹介します。また、AssetWise の次の段階-メンテナンスとオペレーションの信頼性のあるアプローチとオペレーションの解析論にも言及します。
寺田 昌弘 横河ソリューションサービス ソリューションビジネス本部ビジネスマーケティング部 副部長
【講師紹介】 1991年に横河電機に入社。高周波半導体システム、光伝送装置、蓄電池ビジネスのマーケティングに従事した後、顧客へエネルギー最適化に向けたソリューションを提供する組織にてコンサルティング業務を遂行。現在は、ビジネスマーケティング部副部長として、電力自由化に向けたエネルギー市場のビジネス開拓を進める。
【講演概要】 日本の産業界では、データを活用し、つなぐことが、生産現場の改善のみならず、事業プロセス全体の最適化につながると期待されています。横河ソリューションサービスは、これまで培ってきた計測・制御・情報の技術を集結し、プロセスの最適化を生産工程にとどめることなく、企業内バリューチェーンや企業間サプライチェーンなど、あらゆる情報やモノの流れへと拡大し、顧客と共に新しい価値を創造するようなソリューションの提供に向けた活動を進めています。今回、その先駆けとして、データ分析から需要予測、エネルギー全体最適を実現した事例を紹介いたします。
【Session 4】
[パネル討論司会] 鈴木 剛 工学博士、(前)東洋エンジニアリング
【講師紹介】 東洋エンジニアリングに入社後、プロセス設計部門にてエチレンなどの石油化学プロセスを担当し、その間にプロセスシミュレータの担当チームにも属す。 その後、エチレンプラントの省エネ改造などを行ったのち、計装部門でトレーニングシミュレータのようなプラントに付帯するシステムを取り扱う。2015年同社を退職。
[パネリスト] 井上 敬介 東京ガス エネルギー生産部日立プロジェクトグループ担当課長
【講師紹介】 1990年に東京ガス生産技術部入社。以後、都市ガス製造工場の建設・DCS リプレース、メンテナンス業務に従事。2007年までPortugal Sines LNG 基地建設のためTransgasへ派遣された後、2008年から2011年まで東京ガス業務管理に従事。2012年からは、東京ガス日立LNG 基地建設業務に従事している。
[パネリスト] 滝波 明敏 昭和電工エレクトロニクス HD工場システムグループ グループリーダー
【講師紹介】 1989年 昭和電工入社。大分工場生産技術部で、エチレンプラント高度制御、生産計画、ソフトセンサー等のシステム開発及びプロセス検討に従事。2013年 昭和電工エレクトロニクスに異動。HD工場システムグループで、ハードディスク工場のシステム全般業務に従事、現在に至る。
[パネリスト] 矢羽田 喜彦 オメガシミュレーション 代表取締役副社長
【講師紹介】 1975年三井東圧化学(現 三井化学)入社。計装設計、建設、保全業務を経て、2008年~2011年計装、プロセスシステムエンジニアリング統括。2012年オメガシミュレーションに出向し、運転訓練シミュレータ、ミラープラント等シミュレーション技術の展開に従事。