三菱電機が製造業向けFA-IT オープンプラットフォームを発表

Submitted by Shin Kai on

 

三菱電機は2017年3月6日、製造業のIoT活用を促進してスマート化を実現するために、エッジコンピューティングに重点を置いたオープンなFA-IT連携ソフトウエアプラットフォーム(FA-IT Open Platform)を導入展開すると発表した。同プラットフォームにより、FA システムを核にもつ生産現場とバリューチェーンの接続を容易にして、顧客が生産現場のデータの収集・分析・改善のためのシステム構築を短期間で構築できるように支援する。

3つの機能的特長

同プラットフォームの特長としては、(1)生産現場のデータ収集にさまざまなネットワーク由来のデータの集約や、既存設備を含む様々なメーカーの機器からのデータ収集を可能にするデータコレクト機能の装備、(2)生産現場の構成・状態を定義・整理して分かり易く表現する一方、業務システムやアプリケーションが生産現場のデータを容易にあつかうことを可能にするデータモデル管理機能の実装(Industrie 4.0 の管理シェルに相当)、(3)OPC-UA などへの対応によりクラウドを含めたIT システムとの連携を実現するゲートウェイ通信、の3機能が挙げられる。

これらにより、生産現場の設備との接続や上位バリューチェーンの様々なアプリケーションへの接続を容易にし、またデータモデル管理機能がデータを階層化して整理することで、業務プロセスごとに必要なデータを簡単に抽出可能とすることが期待されている。さらに、三菱以外にも多様なベンダが加わって同プラットフォーム上で動作する様々な製造業向けアプリを開発し、アップストアを通じて顧客企業が使いたいアプリのダウンロード活用を可能にする、という。

開発ツールの提供

三菱電機はこのプラットフォーム関連製品の開発を促進するためのツールを提供する計画で、これには(1)エッジコンピューティングの基本機能を提供するプラットフォーム基本ソフトウエア、(2)同プラットフォーム上で動作するアプリケーションを開発するためのインターフェース仕様書(API)および開発キット(SDK)、(3)各種フィールドネットワーク対応データコレクタを開発するためのインターフェース仕様書・開発キット(data collector development kit: DDK)が含まれる。

これらツール は4月以降、供給を開始する。また同プラットフォームとの接続を容易にする機能を組み込んだエッジ領域のFA機器の発表も近々予定している。さらにプラットフォーム自体の運用を10月以降、順次開始する計画である。CeBIT、ハノーバーメッセ等のイベントを活用して海外市場への同プラットフォーム提案も今春より開始する。

e-F@ctoryソリューションの拡張

三菱電機としては、同プラットフォームによるオープン化を通じて、e-F@ctory ソリューション領域の拡張に注力する一方、これまで培ったe-F@ctory のノウハウを盛り込んだアプリケーションを開発し、プラットフォームを通じて提供していく計画である。

提携の拡大

記者発表会後に別途、e-F@ctory アライアンス会員を中心とするユーザ、ディーラ、パートナー企業から約400名を集め開催された新プラットフォーム発表会では、日本IBM からクラウド・オープン戦略によるIBM Watson Analytics 活用、日本オラクルからパブリッククラウドのプラットフォーム活用に関する連携が明らかにされ、提携拡大の一端が紹介された。