三菱電機、発電機用薄型点検ロボットを開発

Submitted by Shin Kai on

 

三菱電機は2017年1月25日、発電機の固定子と回転子の間のごく狭い隙間にもぐり込んで走行できる、厚み19.9mmの発電機用薄型点検ロボットを開発したと発表した。2月に実用化する。回転子を引き抜くことなく、発電機内部を短期間で高精度に点検できるので、発電機保守点検のコスト抑制、信頼性確保、稼働率向上に貢献する、としている。

従来の発電機保守の点検作業は、通常4年毎に回転子を発電機から引き抜き、専門の作業員による精密点検を実施している。この精密点検には34日間を要していた。今回、回転子を引き抜かずに簡易点検期間の6日間で高精度に発電機内部を点検できる点検ロボットを開発したことにより、精密点検周期の延長とロボット点検結果に基づく補修部材の事前準備が可能になった。

同点検ロボットは、発電機の固定子と回転子の間のごく狭い隙間を走行しながら、「ウエッジ緩み点検」「カメラによる目視点検」「発電機固定子鉄心の欠陥検出試験」の3項目を6日間で高精度に点検できる。走行ベルトを平板で支える走行機構を独自開発することで、薄型化と低振動走行による安定した点検データ計測を両立した。同ロボットにより三菱電機製の中・大容量発電機の全機種での点検が可能となった。

また同ロボットは今回、カム構造を適用したタッピング機構を開発し、機構の薄型化と打診検査時の打撃力向上(従来比約10倍)を両立することにより、打診検査とウエッジ緩みを段階的に検知する振動解析技術の組合せで、従来3段階であったウエッジ緩みを5段階で検知する。これにより、高信頼性評価を可能にした。ロボットの奥行きは400mm、幅は構造的に調整可能で300~480mm。