HMI グラフィックスの作成を容易にする試み

Submitted by Shin Kai on

 

エンジニアリングおよび設計ソフトウエアを用いて標準オブジェクトに基づいてDCS のHMI グラフィックスを自動生成することによって、エンドユーザ企業は大幅なコストの節約を実現できる可能性がある。エンドユーザ企業は通常、プロジェクトごとにHMI グラフィックスの作成に数千時間をかけている。大規模なプロジェクトになると数千種のグラフィックスが必要となる。前のプロジェクトから次のプロジェクトへの標準グラフィックスの再利用のための戦略を持たないとすれば、膨大な量の不必要な作業の繰返しが避けられない。

では、新サプライヤからの新しいプロセス・オートメーション・システムへと移行する場合のグラフィックスの再構築はどうであろうか。場合によっては、グラフィックスの再構築の痛みは避けられない、とはいえ、HMI グラフィックスの生成と管理を自動化し簡素化するために、業界とエンドユーザができることは多い。

エンドユーザ企業は、制御システムの違いに関わらず、見た目の統一したグラフィックスを採用する戦略のほうに移行しつつある。理想的には、サプライヤを変更する度にグラフィックスを再構築するための多額の出費をせずに済むべきなのだ。エンドユーザ企業の中には、サプライヤとの合意をベースに複数のシステム間で共通に使用できる標準HMI グラフィックライブラリを開発したところもある。

多くのユーザ企業は、グラフィックスの自動生成及び自動更新に関して、スマートな配管および計装ダイアグラム(piping and instrumentation diagrams:P&IDs)から直接HMI グラフィックスを自動生成できたらよいのに、と考えている。例えば、エクソンモービル(ExxonMobil)の「It Just Happens」の活動では、原因・効果行列(cause & effects matrices)を用いて安全システムを直接プログラムする仕組みを検討中である。これによれば、マスタードキュメントを用いて、ロジックソルバを自動的にプログラム生成することにより、人の関与と、ヒューマンエラーを排除し、人のインプットに対する評価検証の必要性を省くことができる。