ハネウェル、ジャパン・テクノロジー・サミットを開催、IIoT 活用のコネクテッド・プラントを披露

Submitted by Shin Kai on

 

ハネウェル(Honeywell)のプロセス・ソリューションズ部門(HPS)は2017年2月22日、23日の2日間にわたり、横浜でプラント産業向けに最新技術や製品を紹介するジャパン・テクノロジー・サミットを開催し、IIoT とクラウドを活用したハネウェル・コネクテッド・プラント(Honeywell Connected Plant)のイニシアチブを、日本国内のプラント更新需要に応える先進ソリューションとして提案した。

2015年9月に続き第2回目となる同イベントには、石油、石油化学、化学、ガス、紙・パルプ、EPC コントラクタなど広くプロセスプラント業界に携わる106社から550名が参加した。ハネウェルからは前回に続き、HPS のCEO ヴィマール・カプール(Vimal Kapur)氏、同VP 兼CTO のジェイソン・ウルソ(Jason Urso)氏をはじめ、グローバルの事業経営、技術のトップエグゼクティブが顔を揃え、日本市場への取組みの意気込みを示した。

日本は成長市場

ハネウェルがここ数年、日本市場への投資を拡大し、事業拡大に注力している背景には、日本のプロセスプラント市場が成長の止まった成熟市場ではなく、次世代に向けた成長市場である、という認識に基づく。日本は世界のオートメーション市場のトップ5指に入る規模を持つだけでなく、製品・事業領域ごとに世界市場に向けて成長力を蓄えた企業を多数擁している。日本市場での成功は世界市場への展開にもつながる。ハネウェルは、同社の先進技術を使いこなし、その導入で世界市場に事業を拡大展開する日本企業の潜在力を見据えている。

カプール氏によれば、これまでの投資と取組み活動の強化の成果として、紙パルプ、化学、石油市場で顧客の新規開拓に成功し、国内のインストールベースが185サイトに増加した。主要受注案件には、紙パルプ業界におけるリーディング会社での新規DCS およびQCS 案件、化学国内有力ベンダの旧型DCS の更新案件、石油、石油化学における2カ所の製油所における統合計器室のDCS 更新案件、陸上出荷での最大規模ターミナルのオートメーションソリューション増設案件、さらにEPC によるインドネシアの製油所拡張(ICSS)案件が含まれた。

これとともに提案案件の増加が顕著で、化学、製油所、紙パルプ業界向けを中心に2015年比で2016年の提案案件数が倍増した。業界分野ごとでは、2016年に新たに化学企業をインストールベースに加えたが、2018年までに自動車、鉄鋼、食品業界にも事業を拡大したい意向である。燃焼系制御事業を担うハネウェル・サーマル・ソリューション(HTS)がHPS の1部門に編入されたことを受けて、日本でも自動車のターボチャージャー事業の拡張を軸に、鉄鋼、食品、電力への展開を見込む。また、日本のEPC とは15件以上の海外案件を協働で展開中である。

また日本の組織強化も進め、日本のゼネラルマネジャーに、ケン・デヴィル(Ken Deville)氏に代えて2017年4月から坂田伸一氏の就任を発表した。

先進的技術ロードマップと製品

ジェイソン・ウルソ氏は講演で、HPS 技術ロードマップを紹介。投資プロジェクトの効果的な実行を支援するLEAP(Lean Excecution Automation Project)によるリーン化を可能にするユニバーサルIO、バーチャル化、クラウドエンジニアリングを解説した。また1月に導入開始した次世代DCS Experion(エクスペリオン)PKS Orion R500 が、プロセス制御に電力制御を統合化した単一システムとして、システムだけでなく計器設定やコミッショニングにもLEAP を展開する新機能を説明した。加えて、旧型TDC のエクスペリオンへのマイグレーションを段階的に実現するコンポーネンツの進化についても解説した。

展示フロアでは、エクスペリオンPKS オライオン・コンソール、DCSとの連携性を高めたコントロールエッジPLC、産業用サイバーセキュリティ・リスクマネージャーR150、IIoT ネットワークの核となるソフトウエアの拡張ユニフォーマンススイートなどを披露した。