横河電機、米国のクラウド環境利用データ共有サービス会社を買収

Submitted by Bob Mick on

横河電機は2016年1月7日、製造業向け高度ソリューションビジネスの強化を目的として、生産現場のデータを企業間で共有するクラウドサービスを提供する米国企業インダストリアル・エボリューション(Industrial Evolution Inc.; IE, 本社:アリゾナ州フェニックス)を、米子会社を通じて買収したと発表した。横河電機は、同買収に先駆けて、制御事業に関するM&A を実行する100%出資の子会社ヨコガワ・ベンチャー・グループ(Yokogawa Venture Group Inc.; 本社: デラウェア州ニューキャッスル郡ウィルミントン)を2015年12月に設立しており、今回の買収は同社が実施した。買収金額は非公開。

IE 社は、石油・ガス、電力・再生エネルギ、化学、食品・飲料、パイプライン、工業用ガス等さまざまな産業の生産現場における機器、システムからリアルタイムにデータを収集し、その設備を保有する企業はもとより、そのデータを必要とする様々な企業に対して、収集データもしくは必要な形に加工したデータを提供するサービスを、DaaS(Data as a Service)と呼ばれるクラウドサービスで提供している。

OSIsoft 社のPI システム上に構築されたIE 社のサービスでは、ファイアウォールに守られたシステムから必要なデータを収集し、認証されたユーザに対して、セキュリティを確保した仕方でウェブ、モバイル機器を解してデータを提供する。同社は同分野にいち早く参入し、Fortune 100 にリストアップされる大手企業を含む企業間の情報共有に貢献している。同サービスの適用範囲は広く、例えば、複数の権利者が存在する石油・ガスの採掘現場におけるデータの企業間での共有、操業者と出資者が異なる設備における出資者へのリアルタイムなデータ提供など、様々な場で活用されている、という。

IE 社の取組みは製造業におけるIoT の活用の先進事例であり、横河電機は同技術によって、提供するソリューションの幅を拡張する。横河電機の傘下に入ったIE 社はさらに技術を高め、クラウド高度ソリューション分野でのリーディングカンパニーを目指す。

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