アズビル、安全計装システム用緊急遮断弁のスマートESD デバイスを発売

Submitted by Bob Mick on

アズビルは2016年1月12日、プラントの安全計装システムで使用される緊急遮断弁のインタフェース機器で、機能安全に関する国際規格IEC 61508 のSIL2 または3 の認証を取得したスマートESD (emergency shut down) デバイス700 シリーズを1月13日から発売すると発表した。同シリーズの価格は46万円からで、初年度に200台、3年後に2,000台の販売を計画する。

同シリーズは、緊急遮断弁に付属され、緊急時に正しく動作するかどうかを診断するために、プラント運転中に緊急遮断弁を部分的に動かすパーシャル・ストローク・テスト(partial stroke test: PST)機能を搭載した機器である。安全計装のシステムでは、安全水準を維持するため、安全計装システムを構成する機器の故障率とSIL レベルにより決定される周期で、構成機器の作動検査を行うことが要求されている。今回の新製品で緊急遮断弁のPST を作動検査の周期より短い間隔で実施することで、不動作の確率を下げられ、安全性を確認できる。これにより、作動検査の周期間隔を延長することが可能になり、安全性を維持しながら作動検査に伴う保全コストを削減できる。

また、長期にわたり運転を停止できないプラントでは、安全計装システムの作動検査を運転中に実施するために従来は、緊急遮断弁のバイパスラインの設置が必須だった。この場合、設置コストと作動検査時のバイパスラインへの切替えなどの工数がかかっていた。これに対して、PST で作動検査周期を延長することで、バイパスラインを設置せずに、プラント運転停止時に作動検査を実施するという選択も可能になり、建設と保全を合わせたコスト削減に貢献できる。