特許庁がIoT 関連技術の特許分類を世界に先駆けて新設

Submitted by Bob Mick on

特許庁は2016年11月14日、世界に先駆けてIoT 関連技術の特許分類を新設したと発表した。これによって、IoT 関連技術についての特許事例を網羅的に収集・分析することが可能となり、同件に関する特許取得の予見性が高まる。

特許出願には、その出願の技術内容を仕分けするために特許分類が付与されている。特許分類は、先行文献の調査を効率的に行うためのツールとして、また技術開発の動向を把握するためのツールとして非常に重要なものであり、特許庁では技術の進展に合せて継続的にこれを整備している。これまでIoT 関連技術に関する特許情報を網羅的に収集することが可能な特許分類がなかったが、今回、この特許分類(ZIT)を新設することにより、2017年から順次、特許庁が公開している特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)を通じてIoT 関連技術に関する特許情報を網羅的に収集・分析することが可能となる。

例えば、IoT 関連技術の事例として、「ユーザの顔写真と現在位置を含んだ配車依頼をサーバから受信し、ユーザの現在位置まで自動走行した後に周囲を撮影し、顔写真と一致する顔を検出した場合に当該ユーザのタクシーへの搭乗を許可する無人タクシー」や「複数のロボットの駆動量と駆動結果をネットワーク経由でフィードバック情報として収集することで、最適な駆動量を決定し、各ロボットに反映させる自己学習ロボットシステム」などの事例がIoT 関連技術の特許分類で抽出できるようになる、という。

また、IoT 関連技術の特許分類を活用することで、例えば、開発動向の把握をテーマに、センサに特徴を有する事例、情報通信に特徴を有する事例、データ処理に特徴を有する事例それぞれの件数の分析を行い、開発の傾向や強み弱みを探ることも可能になる。

特許庁では、今回の特許分類が、日本の特許だけでなく各国の特許にも付与されることを目指して、日米欧中韓の5大特許庁による会合や世界知的所有権機関(WIPO)による国際会合等の場を通じて、外国特許庁への働きかけを行っていく方針である。