シスコ（Cisco）はこのほど、米カリフォルニア州サンタクララに本社を置く株式非公開企業ジャスパー・テクノロジーズ（Jasper Technologies, Inc.）を買収する意向を明らかにした。ジャスパーは、企業やサービス・プロバイダがIoT サービスを世界規模で立ち上げ、運用管理し、収益化するためのクラウドベースのIoT サービス・プラットフォームを提供している。合意条件に基づき、シスコは14億ドルを現金で支払い、債券の引き受け分、および残留を条件とするインセンティブを支払う。
ジャスパーの提供するIoT サービス・プラットフォームは、企業およびサービス・プロバイダの採用実績数で業界をリードしている。世界の有力企業や大手サービス・プロバイダの多くがジャスパーのプラットフォームを利用して世界規模でIoT サービス事業を展開している。ジャスパーを導入することによって、企業は自動車からジェットエンジン、体内に埋め込まれたペースメーカに至るまで、あらゆるデバイスを主要な世界のサービス・プロバイダが提供するセルラー網を介してつなぐことができ、さらにジャスパーのソフトウエア・アズ・ア・サービス（SaaS）プラットフォームを通じてIoT サービスの接続性を管理することができる。
IoT には、数百万規模のデバイスの接続性と安全性を確保し、データを収集して分析するといった複雑性が伴う。ジャスパーはそうした問題を簡素化し、顧客に短期間でIoT への移行を実現可能にする。ジャスパーのIoT サービス・プラットフォームは、あらゆるつながるデバイスに対してIoT サービス管理を自動化することによって、自らの製品をつながるサービスに転換し、新たな収益源を継続的に生み出していくための事業モデルを可能にする。
ジャスパーの開発によるSaaS プラットフォームは、全世界で3,500社を超える企業に広範なつながるデバイスやサービスを運用管理して、予測可能で再現的な収益を生み出すIoT 事業を実現しており、世界各国で27のサービスプロバイダーグループとの提携関係を結んでいる。（Chantal Polsonetti）