シーメンスがメンター・グラフィックスを45億ドルで買収

Submitted by Bob Mick on

シーメンス(Siemens)はこのほど、メンター・グラフィックス(Mentor Graphics)を45億ドルで買収することで合意したと発表した。これにより、シーメンスは、産業用ソフトウエア製品群をEDA (electronic design automation)にまで拡充することによりデジタル・インダストリアル・エンタープライズ(Digital Industrial Enterprise)形成に向けての同社のビジョン2020(Vision 2020)を強化する。シーメンスはメンター株1株に対し37.25ドルを支払う。この買収価格は2016年、11月11日のメンター株終値に21%上乗せした水準である。メンターの取締役会は、合併契約の承認を宣言しており、またメンターの普通株式の保有者による合併契約の承認と採択を勧告している。メンターの株主であるエリオット・マネージメント(Elliott Management)は、この買収を支持している。

同買収は、メンターによって確立されたエレクトロニクスIC とシステム設計と、シミュレーションと、製造ソリューションによって、シーメンスの先導的デジタル・エンタープライズ・ソフトウエア(Digital Enterprise Software)の製品群を拡充する。これらの機能は、自律走行車のような今日的なつながる製品にとって不可欠の要素である。この組合せは、機械設計、熱処理、電子回路、組込みソフトウエアの各ツールを提供し、シーメンスの顧客が、技術革新をさらに加速し、生産効率を向上させ、現場における製品運用を最適化できるようにする。今や初めて、品質、効率性、柔軟性、安全性とスピードが、製品ライフサイクル全体を通して、さらにエンタープライズ全域に及ぶ技術領域にわたって最適化される道が拓かれることになる。

メンター・グラフィックスの事業は、米オレゴン州ウィルソンビル(Wilsonville)を拠点に、32カ国に事業展開しており、2016年1月31日期の従業員数は5,700人以上、総収益は約12億ドル。IC 設計、テスト及び製造、電子システム設計及び分析、自動車エレクトロニクスなど戦略的産業分野でグローバル・リーダ企業の1社と見なされている。通信、コンピュータ、民生電子、半導体、ネットワーク、航空宇宙、マルチメディア、輸送の各事業領域を対象とするIC/半導体企業を中心に1万4,000件の顧客ベースを持つメンターの事業は、今後、シーメンスのデジタル・ファクトリ(Digital Factory)事業部門の製品ライフサイクル管理(PLM)事業部に組込まれる。(Dick Slansky)

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