三菱電機、IoT 活用によるレーザ加工機の遠隔診断サービスを開始

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三菱電機は2016年3月7日、モノのインターネット(IoT)を活用して、同社の板金加工向けレーザ加工機のユーザ元での稼働情報をもとに、ダッシュボード機能とリモート診断機能を実現する新サービスiQ Care Remote4U (アイキューケアリモートフォーユー)を4月1日に提供開始すると発表した。e-F@ctory アライアンス・パートナーであるNEC と組んで、同社のIoT プラットフォーム技術を活用する。これにより、レーザ加工機の生産性向上やランニングコストの低減に貢献するとともに、遠隔診断による保守サービスの向上を実現する。

サービス料金は、2016年4月以降の新規のレーザ加工機購入者には2年間無償サービスとし、3年目から有償化する。また既存の加工機所有者には1台当たり年間8万円からの有償サービスとして提供する。

サービスの特長は、ダッシュボード機能により、市販のパソコン・スマホ・タブレットで専用ソフト無しにレーザ加工機の稼働情報・加工予測時間などをリアルタイムで確認できる。加工・稼働実績や電力・ガス消費量などをNEC のIoT プラットフォームで収集・蓄積し、複数の情報をまとめてダッシュボード上に表示する。とともに、汎用の表計算ソフトウエアに出力することで、生産プロセスの改善やランニングコストの低減に貢献する。

さらに、リモート診断機能により、保全性を向上させる。通信安定性が高いNEC ソフトウエアVPN サービスを活用して、三菱電機のサービスセンタに設置した端末から直接、顧客のレーザ加工機の状況を遠隔診断して予防保全情報を提供する。一方、故障時にも三菱のスタッフによる迅速な対応を可能にする。さらにサービスセンタからは、ソフトウエアの更新や加工条件の変更などを実施できる。契約方式は、年間契約や、顧客からの要望による随時契約を可能にする。

また三菱電機は2016年度中に放電加工機向けの同趣サービスも開始する。現在、名古屋製作所の近隣の大幸地区に建設中の新棟を2016年10月に竣工させ、リモートサービスの中核拠点とする計画である。(Shin Kai)