MAC 戦略と最近の動向

Submitted by Bob Mick on

ARC アドバイザリ・グループは、オーナ・オペレータが、オートメーション主契約者(main automation contractor : MAC)と組んで大型設備投資プロジェクトのオートメーションに関連するあらゆる局面を、調達し、調整し、また管理する傾向が強まっていることを指摘してきた。これは主として、昨今目立つようになった一段と大掛かりで複雑化したプロジェクトに必要となるオートメーション契約請負業者とその下請け業者の広範なネットワークを管理するための大規模な社内のオートメーション部門を、オーナ・オペレータのほとんどがもはや保有しなくなったことによる。こうした状況においては、MAC が果たしうる役割は一段と大きくなる。

オートメーションの範囲もまた、拡大している。今日の情報主導型製造の環境においては、多くの情報の処理がプラント現場の近くで遂行され、また適切な生産と業務のデータが生産と業務システム間をスムーズに流れることが重要である。プラント計装とオートメーション・システムは、安全で安心な操業を確保するのに役立つことに加えて、情報主導型製造における主要な役割を果たしているが、これは、プラント計装とオートメーション・システムが、より高次のシステム階層で使用されるリアルタイムの操業および設備データの大部分を生成していることによっている。

一般にMAC の役割は、あらゆるオートメーション関連の機器とシステム(フィールド計装、制御システム、安全システム等)を設計し、エンジニアリングし、納入するに留まらない。これらに加えて、これらシステムが安全かつセキュアに統合され、適切なサービスによって支えられることも確保しなければならなし。さらにMAC は、プラント・オートメーション・システムを電力供給やその他のシステムと統合する要求にも対応を迫られることが増えている。

これらだけでも大変な作業量であろうが、仮想化やクラウド・コンピューティングといった新規のIT 対応ツールと技術が登場して、とりわけ機器調整の試運転を実施する前に多くの設計や検証を実施してしまうような部分でMAC にも有用である。OEM 各社がインターネットを通じて評価可能となるインテリジェント機器を数多く供給するようになり、また新たなソリューションやビジネス・モデルを支援するためにより多くのIIoT 対応型アプリケーションがネットワーク・エッジ部に導入されるにつれて、産業用IoT (IIoT)もMAC の活動に重要な役割を果たし始めている。(Dick Hill)

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