スウェーデンのHMS ネットワークス（HMS Networks AB）の完全子会社であるHMSインダストリアル・ネットワークス（HMS Industrial Networks AB）はこのほど、ベルギーに拠点のあるイーウォン（eWON SA）の全株式を買収する契約に調印した。イーウォンはIIoT（産業用モノのインターネット）事業を展開し、インテリジェントなインターネットベースの遠隔アクセス・ルータを提供している。買収価格は、現預金分相殺・引継ぎ債務ゼロ評価ベースで3,000万ユーロ（EUR）となり、現金とHMS ネットワークスの株式との組合せで支払われる。
2001年に設立されたイーウォンは、ベルギーのニヴェル（Nivelles）に本社がある。イーウォンは、米国と日本に子会社を展開し、プログラマブル・ロジック・コントローラ（PLCs）に対する遠隔アクセス、データ収集アプリケーションやクラウドベースのルーティング・ソフトウエアなどの産業用アプリケーションの通信用製品やサービスを提供している。イーウォンは、インテリジェント・インターネットベースの遠隔アクセス・ルータ市場において急成長している。同社の従業員は57人である。
この買収によりHMS は、産業用通信市場内における遠隔アクセスと遠隔監視を提供する市場でリーダ企業になることを目指している。欧州や米国市場におけるイーウォンの事業領域が、HMS の顧客ベースを拡大し、PLC の遠隔管理の市場により強力な事業基盤をもたらすことが期待されている。同買収により、HMS は欧州と北米市場で成功している流通網にアクセスしやすくなり、またHMS の研究開発力に約15人の開発エンジニアを追加することになる。この開発力の強化は、遠隔管理分野の新たなソリューションを開発するための弾力性を高めると期待されている。（Chantal Polsonetti）