横河電機によるKBC 買収の背景 (続報)

Submitted by Bob Mick on

KBC アドバンスト・テクノロジーズ(KBC Advanced Technologies plc)が同社ウェブサイトで公表したとおり、このほど横河電機による高度制御ソフトウエアとコンサルティング・サービス企業KBC の買収が完了した。(4月8日付既報 「横河電機、英KBC の完全子会社化を完了」)ARC は2月にはブログサイトでこの動きを紹介していた。KBC 買収を巡っては、当初アスペンテック(AspenTech)が交渉をリードしていたが、横河電機がアスペンテックのオッファーを上回る買収額を提示してこれを成功させた。KBC の獲得は実に横河電機が誇りとする成果であり、同社の中期経営計画 Transformation 2017 における制御事業戦略の一環として、高度ソリューションやコンサルティング・サービス分野における同社の能力の向上に寄与することが期待される。

KBC は、深いプロセス知識とアプリケーションの専門知を大量に所有している。同社は、石油精製事業者や石油化学プラントが日々の能力を改善し、収益性を向上させるのに役立つようなシミュレーションや最適化技術によって補強された一連の統合サービスを提供する。KBC は、戦略的、技術的、組織的、環境的コンサルティングという4つの中枢的実践要綱で運営されている。グループ企業のコンサルタントによるKBC ソフトウエアの活用は、世界中の多様なプロセスにおけるコンサルティングの実践現場で使用されることによって、シミュレーション製品の検証と改善に役立っている。独自にモデルを構築したがるユーザがある一方で、KBC のモデル構築や分析の専門知を好んで活用したがるユーザ企業もある。

KBC のサービスには、顧客の訓練や制御設計など様々な目的のために包括的な動的シュミュレーションを構築する能力がある。このシミュレーション・モデルは、個別パッケージ製品として、または顧客の既存のソフトウエアやハードウェアとつながる仕方で提供される。このサービスのために使用される主なツールは、対話型の動的シミュレーションパッケージであるPetro-SIM であり、これは80種類以上のブロック構成型アルゴリズムを使用する。これを用いて、システム設計の対コスト効果や運用性の評価が実現でき、それによってパフォーマンスの向上と開発時間の短縮が実現する。KBC はグローバル企業であり、顧客と堅実な関係を築くことに定評のある、業界にとって信頼のおける真のアドバイザである。((Larry O'Brien)

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