横河電機、エネルギ管理ソリューションの米ソテイカを買収、KBC に統合

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横河電機は2016年11月8日、プロセス産業向けを中心にエネルギ管理ソリューション(EMS)で有力なソテイカ(Soteica Visual Mesa, LLC 本社:米テキサス州ヒューストン)の株式を100%取得したと発表した。また、これにあわせ、ソテイカと、高度クラウドソリューション事業ユニットとして今年2月に設立したインダストリアル・ナレッジ(Industrial Knowledge)の事業運営を、今年4月に買収したKBC アドバンスト・テクノロジーズ(KBC Advanced Technologies, Ltd.)に統合すると発表した。

横河電機は、プラントのユーティリティ設備向けEMS 分野で豊富な実績を持つソテイカに2012年12月、44.3%の資本参加をしたが、この度残る全株式を取得した。また、2015年12月に企業の枠を超えたクラウドによるデータ共有サービス(Daas)で豊富な実績を持ち、プラントの遠隔監視サービスなどを提供する高度クラウドソリューション事業のインダストリアル・エボリューション(Industrial Evolution, Inc.)を買収し、今年2月には同事業ユニットとしてインダストリアル・ナレッジを米国に設立した。さらに、今年4月には、KBC を買収。KBC は石油・ガス産業のアップストリーム(開発・生産工程)からダウンストリーム(精製工程)までを対象に、操業効率の向上や収益性の改善を実現するソフトウエアとコンサルティングサービスを提供して世界市場で有力である。

当面は、KBC のエネルギコンサルティングと、リアルタイムにエネルギ効率を最適化するソテイカの技術により、成長を続けるプロセス産業向けEMS 市場で事業の拡大を図る。まずは、ソテイカのプラント内ユーティリティ向けエネルギ最適化ソフトウエアVisual Mesa をKBC のコンサルティングと組合せて顧客に包括的なソリューションを提供する。長期的にはKBC のプロセス・シミュレーション・プラットフォームであるPetro-SIM にユーティリティとサプライチェーンの最適化技術を統合していくことを目指す。さらに、クラウドを利用した新サービスの提供も進める考えである。

横河電機は、KBC を軸にソテイカとインダストリアル・ナレッジの事業運営を統合することで、石油、ガス、化学などの顧客に対する経営レベルからプラント操業までの知見を集結し、クラウド技術をベースに、プラント、経営、サプライチェーンにわたる幅広い事業活動に対して継続的な効率向上を支援する新ソリューションの提供を目指す。KBC、ソテイカ、インダストリアル・ナレッジの事業経営はKBC のCEO であるアンディ・ハウエル(Andy Howell)氏が統括し、KBC ブランド名で統合する。

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