フィールド伝送器向けイーサネット活用再論

Submitted by Bob Mick on

先ごろ、「プロセス・フィールド機器のイーサネットとIP 活用までまだ時間- ARCフォーラム報告」という題のARC Insight レポートを紹介したが、これを再論する。フィールド伝送器のイーサネット網活用の構想は魅力的であるが、まだ技術的に解決すべき障害がある。現在、いくつかのIEEE グループが、これらの課題を克服する作業をしているが、すべての隙間を埋めるに至っていない。

数十年来、現場計器は、絶縁の対撚り線で配線されてきており、HART すなわち4-20mA アナログ信号を使用してきた。Foundation fieldbus やProfibus PA によるスピードが遅いが完全にデジタル通信を実現する機器もわずかながら利用されてはいるが。最近、伝送器までの配線距離が100m未満のアプリケーションに限って、100MB イーサネットが登場してきている。しかしながらこれには、対撚り線ではなく4芯 CAT5 ケーブルが必要である。ここで既存機器に役立つイーサネットに必要な要件の一つは、既設の配線を活用できることである。つまり2線のみを用いて24VDCの給電を実現し信号をやりとりすることを意味する。このソリューションについてIEEE 802.3グループの作業が現在進行しており、目標は2線式センサの産業用途の実現である。この実現は、イーサネット利用のプロセス伝送器市場に大きく貢献するだろう。

とはいえ、重要な例外もある。その例外とは、危険区域(一般に石油、ガス、石油化学、その他多くの化学プロセス区域)に設置される伝送器である。これらの場所に設置される計器は、その場で運用するためにさらなる安全防護策が必要であるが、IEEE はその技術を標準化する予定はない。つまり、それは、IEEE の作業範囲外である。(Harry Forbes)

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