ファナックとシスコ、ロックウェル、プリファードが協業-製造最適化のための分析プラットフォームを開発

Submitted by Bob Mick on

ロボットとファクトリ・オートメーションのサプライヤであるファナック(Fanuc)はこのほど、IT でデジタル化を牽引するシスコ(Cisco)、産業用オートメーションと情報ソリューションのサプライヤであるロックウェル・オートメーション(Rockwell Automation)、人口知能ソリューションの提供企業であるプリファード・ネットワークス(Preferred Networks)と協業すると発表した。4社は共同で、コンピュータ数値制御装置(CNCs)やロボットのみならず、周辺デバイスやセンサをつないで、製造を最適化するのに役立つ分析機能を提供するプラットフォームFanuc Intelligent Edge Link and Drive (FIELD)システムを開発する。

FIELD システムは、ファナックのオートメーション・システムで使用されるCNCs、ロボット、周辺デバイス、センサ向けの分析機能を提供するためのプラットフォームである。これら分析機能は、機械の効率、信頼性、柔軟性、生産量や生産速度と製品品質の向上を通じて、総合設備効率(Overall Equipment Efficiency: OEE)と収益率を向上させる。それはまた、機械学習機能も備えることになる。ファナックは、シスコ、ロックウェル、プリファードと協業することにより、ネットワークやコンピューティング基盤、アプリケーション、ミドルウエア・プラットフォームを含む包括的なソリューションを提供する。このプラットフォームは、例えばアプリケーション開発者、センサや周辺デバイス・メーカ、システム・インテグレータが、活用するために設計される。

FIELD システムは、ファナックの現在のゼロ・ダウンタイム(Zero Downtime: ZDT)コネクテッド・ロボット・プロジェクトをさらに拡張させるものである。ZDT は、シスコのクラウド、IoT データ収集ソフトウエア、エンドツーエンドのセキュリティ機能から構成される。これら4社が連携し、産業用イーサネットスイッチを利用してロボットをシスコのユニファイド・コンピューティング・システム(UCS)に接続することで、自動車メーカ向けのシステムを実装する。システムは全て、ファナックとシスコのZDT データ収集ソフトウエア上で実行される。自動車業界の顧客企業は、このシステムを導入することで、稼働停止時間の大幅な短縮とコスト削減を実現できる。

FIELD システムは、顧客とアプリケーション開発者が、高度な機械学習と人工知能を活用することによって、製造業の生産性向上と効率化をもたらす。ファナックとプリファードはこれまでに、バラ積みロボットの高度化、高精度な異常検知、故障予測などのアプリケーションにおいて新技術を確立してきている。同システムは人工知能とエンジコンピューティング技術を組合せることで、分散学習(distributed learning)を可能にする。ロボットや機械から収集されたデータを、ネットワークのエッジでリアルタイムに処理することにより、機械がお互いに柔軟にかつ賢く協調する製造環境を実現する、という。(Craig Resnick)

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