FPSO 等海洋資源開発事業への参入機会を探るセミナーが開催

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経済産業省製造産業局、国土交通省海事局、エンジニアリング協会は2016年4月25日、経産省の会議室を会場に、FPSO(浮体式生産貯油出荷設備)およびその上載プラントを中心に、日本企業の海洋資源開発事業への参入を促すセミナーを開催し、約170名が参加した。

海底油田・ガス田開発をはじめとするオフショア開発では、欧米系、韓国系企業が先行し、日本企業が出遅れている感がある。このため今回のイベントも「日本企業と海外石油・ガス開発企業、エンジニアリング企業との協業等に向けたセミナー」と題して、今後日本企業が進出するのに有望な技術・設備領域の絞込みと海外企業との提携案の紹介が主眼となった。

趣旨説明では、国交省海事局海洋開発戦略室長の石谷俊史氏が海洋開発関連産業の振興の経緯を紹介した。海洋開発が平成25年閣議決定の第2期海洋基本計画で最重要課題となったことを受けて、平成25、26年度までの調査で、海洋開発関連の市場構成、開発技術の現状、日本の産業界の参入実態を調査し、これにより、FPSO が有望市場であることが判明した。続いて平成27年度からは具体的な参入策の検討を進める段階に移行するために、FPSO に対象を絞って海外の石油・ガス開発企業やエンジニアリング企業(EPCI コントラクタ)に対して、日本の技術に対する見解や期待、今後の活用可能性などを調査した。

今回のセミナーではまず、平成26年度までの調査をベースに、海洋開発分野の製品と技術に関して日本の位置づけを確認し、参入のポテンシャルが高い技術分野を特定する基礎資料として作成した「海洋開発技術マップ」の概要を紹介した。次いで、対象領域をFPSO に絞り込んだ平成27年度の調査報告として石油会社のペトロブラス(Petrobras)とBP、係留装置サプライヤのSBM とMODEC(三井海洋開発)からのヒアリング調査の概要と結果を解説した。さらに調査の過程で日本企業の技術と共同開発に期待していることが判明したオランダのSBM オフショアと今後パートナーシップが可能な、先進的鋼鉄製ライザー、小口径SCR 機械式コネクタ、大深水冷取水パイプ、GTL プラント搭載FPSO など9項目の技術分野を紹介して、日本企業の積極参入を促した。(Shin Kai)