日立と東北大、金属用3Dプリンタによる引張り強度と耐食性に優れた合金の積層造形技術を開発

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日立製作所と東北大学はこのほど、金属用3Dプリンタを用いた、強度と耐食性に優れたハイエントロピー合金(HiPEACE)の積層造形技術を開発したと発表した。従来の手法による金属用3Dプリンタでの製造と比較して、1.2倍の引張り強度である1300Mpa と耐食性の指標である孔食電位が1.7倍となる0.85V vs Ag/AgCl を備え、組成ムラのない均質で複雑な形状の部品製造を可能にした。

また今回開発した技術を適用して、複雑な形状を有する羽根車部品の試作に成功した。強度と腐食耐性が要求される化学プラントや油井、ガス井掘削設備などの設備要部品を製造する際に同技術を用いることで、設備の長寿命化や稼働率向上に貢献する。今後、実用化に向けて、実使用環境における実証実験を進める計画である。