2016年度上期重電機器の国内生産額は前同比4.7%減-JEMA 統計

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日本電機工業会(JEMA)がこのほど明らかにした2016年度上期(4-9月期)の重電機器の国内生産実績は、前年同期比4.7%減の1兆6,328億円となった。昨年夏以降の中国経済及び新興国などアジア経済の減速から、落込みの状況が継続している。足元では、アジア経済の減速傾向が弱まってきたことから、産業用汎用電気機器では回復の動きが多少出ているものの、重電機器全体としては回復するに至っていない。

発電用原動機では、蒸気タービン(前同比10.5%増)、ガスタービン(同56.6%増)が国内電力向けに堅調で伸びたものの、ボイラが輸出案件の減少により同52.9%減と大きく前年実績を下回り、全体として同12.2%減の2,266億円となった。

回転電気機械では、交流電動機(同2.9%減)とサーボモータ(同11.1%減)が、中国を中心とするアジア経済減速の影響を受けて低調な状況が続いており、夏場以降は回復の動きが見られたものの上期全体では同1.2%減の4,466億円となった。

静止電気機械器具では、変圧器が、国内電力向けの大型機で堅調を維持したものの、再生可能エネルギ固定価格買取制度(FIT)を背景に需要が伸びていた太陽光発電設備向けが前年同期を下回り、変圧器全体としてはほぼ前年並みの同0.9%減となった。また電力変換装置は産業向けインバータ、太陽光向けパワコンが減少し、同14.1%減と振るわなかった。この結果、静止電気機械器具全体では、同7.2%減の3,372億円に留まった。

開閉制御装置では、夏場以降回復の動きが見られ、アジア向け輸出の多いプログラマブルコントローラが同10.5%増と伸び、これを含む低圧開閉器・制御機器全体でも同5.0%増となったが、閉鎖型配電盤が2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を見据えた大都市再開発の動きの遅れにより同7.6%減となった。このため開閉制御装置全体では同2.6%減の6,224億円となり前同比を下回った。

また、JEMA が独自に分類集計している重電機器の受注形態別生産実績によれば、上期は受注生産品が同7.8%減の6,677億円、産業用汎用電気機器が同3.8%減の6,384億円、その他の重電機器が同0.7%増の3,267億円だった。